調理のスキルを身に付けるには、厨房業務を経験することによって自然と身に付いてきます。
厨房業務は環境が悪いし激務でしんどい…という大変不評な業界ですが、気が付いたら包丁裁きが上達していたということもあります。
2年3年と続けていけば仕事も覚えていきます。
この業界で働く人にとっては「食べる」ことも一つ。
何故「食べる」ことが仕事なのか?
栄養士、調理師、それぞれの観点から「食べる」ことは、ある意味「学習」であり「仕事」の一環です。
って一見思える話。
それではなぜ、食べることが学習であって仕事なのかというと次の理由があるからです。
- 献立作成に困ったときの参考として
- 食材同士及び調味料との相性を知る
- 盛り付け方や器の使い方を学ぶ
- お客様の視点として食を捉える
特に給食委託会社で働いていると、献立は規定のものが基本となるからそれほど献立に手を加える必要がないと思ったり、業務委託を契約する時に、事業所側の管理栄養士が献立作成をするから関係ないと思うかもしれません。
飲食関連の仕事というと裏方業務で、お客様との接点がないからコミュニケーションをとることは関係ないかと思いますが、料理を提供することは立派なコミュニケーション業務なのです。
食に限らず、仕事というのはお客様がいて成り立つことです。
この「食べる」行為はお客様と間接的なコミュニケーションを図るヒントが隠されているのです。
日常生活の中で食事は一番の楽しみ
身体が健康で食欲がある限り、日常生活の中で一番楽しみなのは食事ですよね?
労働環境は劣悪だし給料低いし人間関係に悩むし変なクレーマーがいるし、食の仕事は嫌なことが盛沢山です。
飲食店であれば悪い噂が広まれば店の評判があっという間に悪くなるし、病院や施設では、食事に関するつまらない粗探しや揚げ足取りをする奴はいます。
酷い病院や施設だと、組織ぐるみで厨房いじめにかかるところもありますからね。
飲食店だと倒産のリスクがありますが、病院や施設でアホな従業員に叩かれたところで職を失うわけではないんですから、揚げ足取りをする連中のいうことなんさ…
「何か言いたくて言ってるだけだ」
と思ってスルーするしかありませんよ!
言われて気分のいいものではないけど、お客様のことを本当に思っているのなら、そんなことはしない筈ですから!
と苛立つ日々を過ごしているかもしれませんが、食事は身体を養うとともに心を養う役割もあるんですね。
人の身体は食べ物なくして作られないのですから、食事を提供する仕事って実は大変誇り高い仕事なんです。
とは言っても、これに気付かない人は少なくないんですけどね。
病院や施設の場合、入院生活や施設で生活を送っていると入浴やリハビリがあるものの、患者様や利用者様の食生活は退屈なものです。
そうなると、患者様や利用者様はますます食事の時間が楽しみになります。
病院や施設の食事と言えばたかが知れているかもしれませんが、いくら人手不足だからといって余りにもクオリティーの低い食事を提供することは相手にとって失礼なこと。
でも、病院の場合は治療を目的としてることから、塩分制限や糖質制限を行うことと美味しいものを提供することには矛盾が生じることがあります。
真面目に調味料を精秤していたら味のない不味い食事しか出来ないじゃまいか?…となりますがね。
この味の件については病院や施設の方針が絡んでいたり、直属の管理栄養士の考えもあるから、病院や施設の管理者や管理栄養士が頭のカッタイ奴だと、話は別になるかもしれません。
ただ、病院にしろ施設にしろ、食べる楽しみを損なわない工夫が必要なんです。
特に施設では何年とも長期に渡って利用者様が施設を利用されるので、料理のバリエーションが少なくてメニューがマンネリ化すると飽きがくるものだし、いくら食事だって飽きたものを食べれば次第にストレスとなるもの。
その為には、献立に変化を付けるために色んなメニューを学んだり、新しい献立を取り入れることに積極的に動くことなのです。
献立のバリエーションを増やすには次の方法があります。
- スマホやPCで料理サイトで調べる
- TV番組で情報を得る
- 本で調べる
- 気になる商品やお惣菜を購入して食べてみる
- 外食する
これらの実践は、献立のバリエーションを増やす以外にも食材の組み合わせ方や食材と調味料の合わせ方も参考になります。
ネットや本で調べれば上記を参考にする他に、料理の盛り付け方も参考になりますし、商品を購入すれば食べてみた時の味や食感を体験出来ます。
「今度、この献立を取り入れてみようかな??」
って思ったら、行動に移してみましょう!
外食には仕事のヒントが沢山秘められている
飲食業界のスキルアップ方法に一番手っ取り早いのがこれです!
外食をして、情報収集する。
と思うかもしれませんが、休日というリラックスした状態で行うのもポイントの一つです。
外食においてもメニュー作成にヒントとなるものが沢山あり、食材や調味料の組み合わせにおいても参考になります。
外食ではネットや本で調べたことと商品を購入した時の学びを同時に得ることが出来ます。
それは現物を通して体感するものなので、更に身にしみることです。
実際注文したものを写真に撮っておくのも良いでしょう。
それを、自分の知識の引き出しにそぉっとしまい込んでおくのです。
この時は思いっきり食べることを楽しみましょう。
仕事だからと思って行動していたら、折角の食事が美味しく食べられませんから…
外食すると食事や食器の使い方の他にも、もっと注目するところが沢山あります。
良しも悪しくも接客態度をチェックしたり、什器はどのようなもの使って店の雰囲気を表しているか?
清潔感があって清掃が行き届いているか?等…
直接仕事に関係ないかもしれない…でも、観察するところは色々あります。
ミステリーショッパーみたいな感じですが、そこは気楽にやりましょう。
遊び心が大切
この休みの日に体験したことは、今後のことにも活かせます。
得たものを仕事に持ち帰り、「どうやったら美味しそうに出来上がるかな」と、それは子供がいたずらするかのように童心に帰って学んだことをアウトプットするのです。
「仕事は楽しく」に繋げることです。
遊び心で取り組むと、自然とアイデアが浮かぶもの。
そう、本来仕事は楽しいものなのですから。
勤続年数が長くても〇〇〇があるかないかでその後の成長に大きな開きが出る
外食するうえでもう一つのポイントがこれ↓
お客様の立場になって物事を見る
↑これ、重要です。
これが出来ているかどうかで、今後のあなたの成長具合が大きく変わるからです。
厨房業務に慣れて一通り覚えれば一人前ですが、その後の成長も大切です。
確かにこれまで仕事を覚える為に沢山の苦労をしてきましたよね。
でも、成長には限界がないのです。
10年20年専門職として働いていても、勉強することはまだまだありますから。
一人前になれば当然ながら心の余裕も出来てきます。
「どうやったらお客様を満足させられるか?」
「今の仕事に対する姿勢は相手が満足してくれているのか?」
このような客観的な視点を持ちましょう。
この視点を持つとギブの心が原動力となって、更なる成長を遂げることとなるのです。
若さを保つことにも繋がる
「食べる」を楽しく学ぶことは若さにも繋がるのです。
年上のあんたよりもあたしの方がオトナだわ…
あんたってまだ若いよね(苦笑)
老けていることを理由にマウントする輩もいるのですが…
これ、痛い勘違いなんですよ!
ストレスだの出産だの理由は色々あるかもしれないけど、年齢より極端に老けて見えるということは「自己管理が出来ていない恥ずかしい自分」なのです。
ただ、この苦労の度合いも個人差があるので…
多額な借金を背負って毎日のように怒鳴りこみの電話がかかって夜も寝られない…
大切な人を失ってしまった…
職場で酷いパワハラを受けて、人として扱ってもらえない…
等など、自殺を考える位深刻な状況だと、これは自己管理の範疇ではありません。
しかし、上記のような深刻な状況に置かれていないにも拘わらず見た目年齢が実年齢に老けているということは、不摂生の証=自己管理が出来ていないということになります。
なんて、話が飛んでしまいましたが…
楽しい時って実は脳の活性化にも繋がるのです。
それは脳が刺激されることによってニューロンが繋がり、この刺激によって認知症の予防や若さを保つことに繋がるのです。
やけ食いは身体に良くないけど、頑張っている自分にご褒美という意味で外食を楽しむと、ストレス解消にもなるし、若さを保つことにもなるのです。
脳が活性化すれば、それは数々のインスピレーションに繋がり、学びと相乗効果を示すでしょう。
まとめ
それでは何故、フードサービスに関わる者が「食べる」ことが仕事の一つなのかについてまとめましょう。
- 献立や料理、その他、ヒントとなる要素が外食には盛り込まれている
- お客様の立場によって物事を考えるようになる
- 楽しむことで脳を活性化する
フードサービス業界は辛いことが沢山あるかもしれません。
でも、一人前のあなたは職位が決して低いわけではありません。
会社で働くことは「社畜」だの言われる昨今ですが、本来仕事は楽しいものの筈です。
日々、自分を磨くことを重ねながら、従業員が前向きに取り組めるような職場環境作りもしていきましょう。