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福祉系国家資格の話

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福祉系国家資格に求められるもの…

それは「強靭なメンタル」です。

忍耐強さも求められますが、相手は訳ありな事情を抱えている方、高齢者、子供等、常日頃相手をしているとストレスになることが多々あります。

でも、相手は一人の人間です。

それを受容出来る程の器があってこそ本物でしょう!



 

介護福祉士

介護福祉士は、1987年に制定された「社会福祉及び介護福祉士法」によって定められた国家資格です。

「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと」と定義しています。

介護福祉士は専門知識と技術を生かして、利用者の身体上・精神上のケア、現場の介護スタッフに対する教育・指導などの役割を担います。

そして現在では、高齢者や障害者等の生き方や生活全体にかかわることで利用者の暮らしを支え、自立に向けた介護利用者や家族と共に実践することへと変わってきています。

高度な専門知識と技術を有しているという前提のため、現場でもリーダーとしての役割を求められます。

それには、(1)豊かな感性、(2)洞察力・情報分析能力、(3)介護目標・計画の立案能力等が厳しく求められ、チームケアの一員として高い評価が得られるよう努力することが必要です。

介護福祉士は事業所側の期待も高く、就職・転職時に有効に働く資格であるといえます。

2017年4月には、介護福祉士資格等を取得していて、現在福祉や介護の仕事をしていない人の届出制度が創設され、都道府県の福祉人材センターに届出をすることが努力義務となりました。

また、社会福祉事業等経営者や介護福祉士養成の学校・養成所の設置者についても、退職する職員、資格を取得して福祉の仕事に就いていない学生に対して、届出を促すことが努力義務となりました。

介護福祉士は名称独占資格の為、介護福祉士の資格を持たない者が介護福祉士を名乗ることは禁じられていますが、無資格者でも介護の仕事に従事可能なことから完全に業務独占とは言い切れないのでしょう。

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介護福祉士の仕事

介護福祉士のおもな仕事は、利用者に対する「身体介助」「生活援助」「レクリエーション」、利用者のご家族に対する「相談・助言」、介護スタッフに対する「マネジメント」となります。

主な勤務先は介護施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、介護療養型医療施設、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、デイケアなど)など福祉関連に就職することが多いです。

介護福祉士の仕事内容

身体介助

利用者の身体能力や病気の状態に合わせて、食事介助、排せつ介助、入浴介助などを行う。

生活援助

利用者の洗濯や掃除、部屋の整理、食事の準備、買い物など身の回りの世話をする。

レクリエーション

簡単な工作、歌、体操などにより、利用者の身体機能の維持・回復を目指したり、メンタルケアをおこなったりする。

相談・助言

介護に関する不安を抱える家族の相談に乗ったり、福祉用具の選定・使用、自宅介護の注意点などについてアドバイスをおこなったりする

マネジメント

現場のリーダーとして、介護スタッフのタスク管理や教育指導をおこない、サービスの質の向上を図る。

 

介護福祉士の主な就職先

特別養護老人ホーム

家庭での介護が難しい65歳以上又は40歳以上で特定疾患を持っている方入所する施設です。

利用される方の殆どが高齢者であり、要介護度3~5であることが入所条件であることから、要介護度の高い高齢者をケアすることが多くなります。

特別養護老人ホームは大型の施設が多く創設されています。

制度上、介護福祉士は若くしてフロアリーダーなどの役職に就くことが少なくありません。

食事や入浴、排泄などの日常サービスやレクレーション、イベントも行っています。

また、大きなイベントでは地域の方を招待して盛大に行う場合もあります。

施設は原則24時間体制です。

出勤日は平日土日祝関係なくシフトを組み、夜勤に入ることもあります。

介護老人保健施設

入所者の在宅生活を支援する施設であり、基本的に入所期間は6ヶ月程度とされています。

ただ、実際の入所期間は1年近くに及ぶ人もいます。

要介護認定を受けた人のうち症状が安定している人へ「リハビリテーション」を提供しADL改善を図る他、食事・入浴などの日常サービスも併せて提供しています。

主に医療法人や社会福祉法人が運営しており、病院と併設されている施設が多いようです。

特別養護老人ホームと比べると医療要素が少し強く、看護師・准看護師・作業療法士・理学療法士などが多く配置されています。

「他職種とのチームワーク」が身に付きやすく、医療分野の知識も得られるというメリットがあります。

介護付き有料老人ホーム

民間事業者が運営する介護施設です。入所者の要介護度や提供するサービスが、施設によって大きく異なります。

職場環境が整っているところも多く、比較的待遇が良いので人気の職場となっています。

ホスピタリティを重視した施設も多く、接遇スキルや幅広いサービスに対するスキルを身に付けることができます。

接客業などの経験をいかして活躍する人もいます。

また、イベントを盛大に行う場合も多く、地域住民の協力を得て大きなイベントを行ったり、調理師によるイベント(まぐろの解体ショー等)を行っているところもあります。

訪問介護事業所

介護サービス利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行います。訪問介護は、利用者の自宅で一人でサービスを行うことが多いので、トラブル時の対応や基本的な介護スキルが必要です。

介護福祉士であれば、他のヘルパーを取りまとめる「サービス提供責任者」に就く場合もあります。

サービス提供責任者とヘルパーを兼任して働く場合、ヘルパーさんたちへの指示や連絡、シフトの取りまとめや責任者会議への出席などを、利用者の訪問介護と平行して行うことになります。

ですので、効率よく仕事を進めるスキルも身に付けられるでしょう。

デイサービス

在宅生活を送っている要支援及び要介護者である高齢者を日中に送迎し、入浴や食事、レクリエーションなどを提供する施設です。

基本的に日中勤務であり、日祝日は休みのところが多いです。

勤務開始時間はやや早めですが、殆ど定時で帰ることが出来ます。

利用者の中には、独居中の方もおり、孤立感の解消を図る必要性もあります。

施設に比べ利用者の介護度は軽度なので介護スタッフの仕事の中では負担が少ないように見えます。

利用者は複数の事業所を利用している場合もあり、スタッフ達が知らないところで情報交換を行っています。

また「送迎サービス」を行っている為、送迎時に運転マナーを守らないと、送迎者には事業所名が記載してあることから、事業者の名称に傷がつくことも有り得ます。

外部サービスであることから、悪い噂が口コミで広がるという怖さと新規利用者を獲得しづらくなるリスクがあることを頭にいれて業務に臨まなけらばならないのです。

デイサービスの中にはお泊り型の施設や2部構成などの施設などもあり、その形態は多岐にわたります。

 

資格取得までのルート

介護福祉士になるには、「介護福祉士」の国家試験に合格し、介護福祉士の資格を取得する必要があります。

介護福祉士の資格を取得するルートは「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高等学校ルート」、外国人を対象とした「経済連携協定(EPA)ルート」の4つに分かれます。

実務経験ルート

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実務経験ルートでは、以下いずれかの受験資格を満たす必要があります。

3年以上の実務経験とは「従業期間3年(1095日以上)かつ従事日数540日以上」を指します。

  1. 3年以上の実務経験 + 実務者研修の受講・修了
  2. 3年以上の実務経験 + 介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了
実務者研修とは

正式名称は「介護福祉士実務者研修」といいます。

質の高い介護サービスを安定的に提供していくことを目標に、基本的な介護提供能力の修得を目的とした資格となり、かつての「ホームヘルパー1級」の後継資格として位置づけられています。

実務経験の証明方法

実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合、介護福祉士国家試験の受験申し込み手続きの際に、社会福祉振興・試験センターに「実務経験証明書」を提出する必要があります。

また、同じ期間内に複数の事業所に所属している人は「従事日数内訳証明書」も必要です。

所属する事業所の記入が必要な項目もあるため、スケジュールに余裕をもって準備を進めましょう。

公式HPでは「実務経験証明書作成支援ツールおよび従業期間計算表」の利用も可能です。

養成施設ルート

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養成施設ルートでは、以下いずれかの受験資格を満たす必要があります。

  1. 高等学校を卒業後、2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業
  2. 高等学校を卒業後、福祉系大学、社会福祉養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業したのち、1年制以上の介護福祉士養成施設を卒業

もともと養成施設の卒業者は、国家試験を受けずに介護福祉士資格を取得できましたが、2016年の「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正により、国家試験合格が要件になりました。

ただし5年間の経過措置として、2016年度~2021年度までの卒業者は、不合格や未受験の場合でも卒業後5年間は介護福祉士の資格が暫定的に認められます。

その後も介護福祉士資格を保持するためには、暫定期間(5年)の間に国家試験に合格するか、5年間続けて介護の実務業務に従事する必要があります。

※2021年4月1日施行予定の法改正により、5年間の経過措置がさらに5年延長(2016~2026年度までの卒業者を対象に変更)される見通しです。

福祉系高等学校ルート

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福祉系高等学校ルートでは、以下いずれかの受験資格を満たす必要があります。9ヵ月以上の実務経験とは、「勤務日数135日以上」を指します。

  1. 福祉系高等学校に2009年度以降に入学し、新カリキュラムを修めて卒業
  2. 福祉系高等学校に2008年度以前に入学し、旧カリキュラムを修めて卒業(介護技術講習を未受講の場合、国家試験にて実技試験あり)
  3. 2009年度以降に特例高等学校に入学し、必須単位を取得。卒業したのち、9ヵ月以上の介護等の実務を経験(介護技術講習を未受講の場合、国家試験にて実技試験あり)

経済連携協定(EPA)ルート

経済連携協定(EPA)ルートとは、EPA介護福祉士候補者が資格取得を目指すルートです。

EPA介護福祉士候補者とは、日本の介護福祉士資格取得を目的として、日本の受け入れ施設で研修を受けながら就労するインドネシア人、フィリピン人およびベトナム人のことを指します。

EPA介護福祉士候補者は、介護施設で3年以上就労・研修をおこない、国家試験に合格すれば介護福祉士として就労することができます。受け入れ条件などの詳細は、「公益社団法人国際厚生事業団」のホームページをご覧ください。

試験内容

介護福祉士国家試験で出題される科目は下記の通りです。

領域:人間と社会
  • 人間の尊厳と自立
  • 人間関係とコミュニケーション
  • 社会の理解
領域:介護
  • 介護の基本
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術
  • 介護過程
領域:こころとからだのしくみ
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
領域:医療的ケア
領域:総合問題

 

キャリアアップ・関連資格




 

介護支援専門員

介護支援専門員は、要介護者・要支援者が自立した生活を営むのに必要な援助に関する知識・技術を有する専門職として、要介護者等が適切な介護サービスを利用出来るよう、サービス提供事業者等との連絡調整を行うことを主たる職務としています。

つまり、利用者の立場に立って、利用者が必要なサービスを利用出来るように支援することで、目的に沿った給付を実現する為のキーパーソンとして位置付けられています。

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介護保険制度創設とケアマネジメントの導入

介護保険制度創設の背景には、高齢化の進行に伴い要介護高齢者が急増し、介護問題に対する国民の不安が高まっている状況があります。

介護保険制度の前には「老人福祉制度」「老人保険制度」が高齢者におけるサービスを担っておりましたが、サービス利用の権利保障が不十分、サービスの選択が出来ない、所得調査等による利用への心理的抵抗、サービスの内容が画一的、中高所得者層にとって利用者負担が過重という問題がありました。

老人保健制度には、社会的入院、要介護者にとって病院の生活環境が不十分であり、両制度間における手続きやサービス内容、利用者負担等のアンバランスといった問題がありました。

介護保険制度は…

  • 高齢者介護を社会全体で支えること
  • 利用者本位の立場から適切なサービスを総合的・一体的に提供すること
  • 社会保険方式を導入し、保険料負担の見返りとしてサービスが受けられることを明確にする
  • 介護を理由とする社会的入院の解消を図るとともに、医療をはじめとする社会環境の構造改革を推進する

これらを目指して創設されたのです。

介護保険におけるケアマネジメントは、介護支援専門員をはじめとする各種サービスの担当者が個々のサービス利用者の立場に立ってサービスを調整・統合し、利用者の状況に最もふさわしい適切なサービスを常に継続して確保し続け、利用者のQOLを保持していくためのものです。

利用者の生活全般の状況を統合的に把握して、ニーズに応えたサービスを一体的に提供する機能を果たすことが位置付けられています。

 

介護支援専門員を取得するには

介護支援専門員の受験資格を取得するには該当国家資格を持つ者が「要介護者に対する対人援助業務」の経験を通算5年以上積むことが条件となっています。

その国家資格は医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士が該当します。

又は、生活相談員、支援相談員、生活支援専門員、主任相談支援員としての経験を通算5年以上積むことが条件となっています。

試験に合格すると、実務研修を受講します。所定の時間実務研修を修了したら、登録申請を行い、資格証を交付されることによってはじめて介護支援専門員になります。

試験内容

介護支援専門員国家試験で出題される科目は下記の通りです。

  • 介護支援
  • 保健医療サービス
  • 福祉サービス

 

キャリアアップ・関連資格

主任介護支援専門員とは?

介護支援専員門には上級資格の「主任介護支援専門員」があります。

主任介護支援専門員は、2006年の介護保険改正と同時に生まれた資格です。

介護支援専門員として5年以上のキャリアを積み(一般的な流れとして)、所定の研修を受けた者に対して与えられます。

主任介護支援専門員受講資格
  • 専任の介護支援専門員として通算5年以上の実務経験を積んでいる
  • 認定介護支援専門員取得者で介護支援専門員として通算3年以上の実務経験を積んでいる
  • 主任介護支援専門員に準ずる者として、地域包括支援センターに配属されている者
  • 介護支援専門員の業務に関する十分な知識と経験があり、都道府県によって認められている者

研修や資格の管理などは、介護支援専門員と同様に、各都道府県が行っています。

主任介護支援専門員は、介護支援専員門の取り纏め役として存在する専門職であり、新人介護支援専門員の指導・育成・相談から、介護支援専門員への支援や相談に携わります。

主任介護支援専門員は、公的な支援機関である地域包括支援センター等にも就職先がある為、転職に非常に有利な資格であることが言えます。

特定事業所加算を取得する事業所には主任ケアマネージャーを配置する事が義務づけられているので、こうした事業所に勤務する有資格者もいます。

また、2021年度より、居宅介護支援事業所の事業所の管理者は主任介護支援専門員に限定されています。

主任介護支援専門員は、高度な知識が必要となり、専門の研修を受けることが必須条件となります。




 

社会福祉士

社会福祉士は、1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」によって位置づけられた、社会福祉業務における国家資格です。

「社会福祉士及び介護福祉士法」では「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」と定義されています。

「ソーシャルワーカー」は社会福祉士と精神保健福祉士を総称したものですが、そのうち社会福祉士は、心身の障害がある人や日常生活に支障がある人、つまり高齢者、障害者、子供の障害に関する内容、貧困、医療費、成年後見等、幅広い分野において活躍しています。

社会福祉士は名称独占資格です。そのため社会福祉士以外でも上記の業務につくことはできますが、資格を保有していなければ「社会福祉士」を名乗ることができません。

市区町村の地域包括支援センターでは必置資格です。

成年後見制度において、3大専門職後見人として弁護士、司法書士と並び社会福祉士は認められています。

 

社会福祉士の仕事

社会福祉士は、福祉施設、学校、行政機関、病院、司法関係機関など、様々な活躍場所があります。

福祉事務所

福祉事務所は、市区町村における役所などで社会福祉行政の中心を担っている機関です。

具体的には、福祉六法(生活保護法・児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に関わる支援や更生における事務業務に携わります。

福祉事務所で働く場合は公務員という扱いになるため、公務員試験に合格する必要があります。

児童相談所

児童相談所は各都道府県や政令指定都市などに設置されています。

児童福祉における専門機関のため、児童虐待・子どもの発達・非行・不登校などに関する相談に応じます。

保護者による虐待などの緊急時には、児童の安全確保のため一時保護もおこないます。

児童相談所で働く場合は「児童福祉士」と呼ばれ、福祉事務所と同じく公務員となります。

学校

学校においては、子どもたちの相談を受け、必要に応じて児童相談所や教育委員会などへの連絡・調整をおこなう、スクールソーシャルワーカーとして活躍する社会福祉士がいます。

スクールカウンセラーとの違いは、生徒本人へのカウンセリングをおこなうだけでなく、その周囲の環境要因(家庭など)にも働きかけていく点です。

高齢者福祉施設

高齢者福祉に関連する施設はデイサービスセンターや特別養護老人ホームなど多様な形態があり、多くの社会福祉士が活躍しています。

社会福祉士の役割の一例としては、「生活相談員」として利用者本人やそのご家族との相談に応じたり、他職種や関係機関との連絡・調整などがあります。

障がい者福祉施設

障害者福祉サービスにも様々な形態があり、代表的なものとして就労継続支援施設やグループホームなどがあります。

社会福祉士は「生活指導員」などとして配置されることが多く、身体障害や精神障害を抱える方が社会の一員として生活できるよう、自立訓練や就労支援をおこないます。

社会福祉協議会

社会福祉協議会は地域福祉サービスの充実と推進、福祉コミュニティづくりの中核的な役割が期待されている組織です。

社会福祉法によって定められている団体ですが、民間によって運営されているため、公務員の資格は必要ありません。

医療機関

病院をはじめとする医療機関で働く社会福祉士の多くは、「医療ソーシャルワーカー(MSW)」として活躍しています。

医療ソーシャルワーカーは、患者本人やその家族の悩みや課題に対して相談に応じ、適切な支援をおこないます。

司法関係機関

近年、少年院・更生保護施設・地域生活定着支援センターなどの司法関係機関での社会福祉士の活躍が期待されています。

背景には、受刑者の高齢化・児童虐待の増加などがあげられます。

出所者に対して円滑に社会福祉サービスを繋ぐことで、再犯リスクを軽減させていく狙いがあります。

独立型社会福祉士事務所

利用者との契約に従って権利擁護(成年後見人など)や介護保険に関する業務をおこない、利用者から直接、もしくは第三者から報酬を得ます。

社会福祉士として独立開業し、組織に属することがないため仕事の幅の制限が少なく、より個別具体的な支援が可能となります。

 

資格取得までのルート

社会福祉士になるためには、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する「社会福祉士国家試験」に合格して、社会福祉士として登録する必要があります。

社会福祉士の国家試験資格を得るには下記の方法があります。

  • 4年制大学で指定科目を修めて卒業
  • 2~3年制の短期大学等で指定科目を修了したのち、1~2年以上の相談援助業務に従事
  • 社会福祉士短期養成施設(6ヶ月以上)を卒業
  • 社会福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業

社会福祉士大学ルート

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社会福祉士短大ルート

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社会福祉士相談援助ルート

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社会福祉士一般大学、短大ルート

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試験内容

  • 人体の構造と機能及び疾病
  • 心理学理論と心理的支援
  • 社会理論と社会システム
  • 現代社会と福祉
  • 地域福祉の理論と方法
  • 福祉行財政と福祉計画
  • 社会保障
  • 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  • 低所得者に対する支援と生活保護制度
  • 保健医療サービス
  • 権利擁護と成年後見制度
  • 社会調査の基礎
  • 相談援助の基盤と専門職
  • 相談援助の理論と方法
  • 福祉サービスの組織と経営
  • 高齢者に対する支援と介護保険制度
  • 児童や家庭に対する支援と児童。家庭福祉制度
  • 就労支援サービス、更生保護制度

 

キャリアアップ・関連資格




 

精神保健福祉士

精神保健福祉士とは、1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。

精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)という名称で1950年代より精神科医療機関を中心に医療チームの一員として導入された歴史のある専門職です。

「ソーシャルワーカー」とは社会福祉士と精神保健福祉士を総称したものですが、そのうち精神保健福祉士は、鬱病、統合失調症、認知症等「精神保健分野」において活躍しています。

社会福祉学を学問的基盤として、精神障害者の抱える生活問題や社会問題の解決のための援助や、社会参加に向けての支援活動を通して、その人らしいライフスタイルの獲得を目標としています。

特に近年は多様な価値観が錯綜し、情報社会であり、変化が目まぐるしい時代となっています。

更に日本においては何らかの精神疾患に罹患することにより、さまざまな障害を抱えた人々(精神障害者)に対する社会復帰や社会参加支援の取り組みは、先進諸国の中で制度的に著しく立ち遅れた状況が長年続いていました。

近年になり、関係法の改正などにより、ようやく精神障害者も一市民として地域社会で暮らすための基盤整備が図られるようになったのです。

さらに、高ストレス社会といわれる現代にあって、広く国民の精神保健保持に資するために、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。

21世紀はこころの時代と言われています。多様な価値観が錯綜する時代にあって、こころのあり様は現代人がもっとも関心を寄せる問題の一つとなっています。

精神保健福祉士は名称独占資格です。

そのため精神保健福祉士以外でも上記の業務につくことはできますが、資格を保有していなければ「精神保健福祉士」を名乗ることができません。

 

精神保健福祉士の仕事

医療機関

医療機関で精神保健福祉士が担う業務は、単科の精神科病院、総合病院の精神科、精神科診療所、医療機関併設のデイケアなど、配属先によって違います。

しかし、精神障害者の生活を支援する立場であり、医療と地域生活の橋渡しをすること、常に権利擁護の視点を持つこと、医療機関にあっても治療を担うのではないことは共通しています。

これらの活動に関連して、主治医、看護師、作業療法士や臨床心理士など、機関内の他職種とのチーム医療を展開します。精神保健福祉士法には他職種との連携を保つことが義務づけられています。

なお、精神保健福祉士は医療職ではありませんので、医師の指示によって業務を行うものではありません。

ただし、「主治医がいれば、その指導を受けること」も精神保健福祉士の義務として定められています。

主治医の意見を聞き、指導を受けたことを精神保健福祉士として独自の専門的な視点に基づいて判断し、それによる支援を行います。

また、病院の外の他機関との連携による援助活動を展開する視点も必要です。

 

様々な生活支援サービス

障害者総合支援法上の障害福祉サービス等事業所では、その設置目的によって精神保健福祉士の業務も幅があります。

日常生活訓練をする事業所では、家事などの具体的な基本動作を一緒に行い、助言します。

就労前訓練や作業を行う目的の施設では、作業を通して社会参加することを支援します。

また就労前のトレーニングや、実際の就職活動に関する助言、職場への定着のための支援等を行います。

相談支援事業所や地域活動支援センター等の地域生活の支援を主目的とする事業所では、利用者に、電話や対面、訪問による相談や日常生活にかかわる各種サービスを提供します。

また各種情報の発信や居場所提供も行います。

関係機関相互の連携の中心となり、ネットワークを活用して精神障害者のよりよい生活を支援する立場でもあり、ボランティアの養成や身体・知的障害者や高齢者、児童など地域住民を幅広く対象にすることもあります。

2006年の「障害者自立支援法」の施行、そして2012年4月の障害者総合支援法の施行により、現在は精神障害者の支援も他の障害や難病と同じサービス提供体系に位置づけられています。

しかし、精神障害者も地域で生活する一人の人であり、その生活がより豊かなものとなるように精神保健福祉士の立場で支援するという視点は共通しています。

 

福祉行政機関

行政機関では、法律に基づいた各種支援事業や手続きの実施を担うほか、今後の地域における精神保健福祉の充実発展のために、現状分析や将来を見通した計画立案などにも関与します。

また精神障害者の生活支援のために、関係機関のネットワークを作るコーディネートや就労支援事業、地域移行支援活動、地域住民への普及啓発活動などの企画、実施とそのための調整なども担当します。

 

司法施設

「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った精神障害者の医療及び観察に関する法律」(2003年制定)による新しいシステムに基づく役割です。

社会復帰調整官や精神保健参与員などの多くは、その期待される機能から精神保健福祉士が活躍しています。

本法に基づく指定医療機関では、専従の精神保健福祉士がチーム医療の一員として社会復帰プログラムなどの業務を担います。

また、矯正施設においても精神保健福祉士の配置が徐々に進んでいます。

 

その他

介護保険施設や一部の地域包括支援センターなどでは、施設基準に定めはありませんが、精神保健福祉士を配置して利用者やその家族の相談支援、生活支援を行っています。

また、常時勤務の例は少ないですが、教育現場のメンタルヘルスに関する相談援助を行うスクールソーシャルワーカーや、職場でのストレスやうつ病対策、職場復帰のための支援などを行う企業内や外部支援機関の精神保健福祉士が活躍を始めているほか、ハローワークでも精神障害者雇用トータルサポーターとして、精神保健福祉士が就労を希望する精神障害者の相談や企業の意識啓発などを行っています

教育機関では、精神保健福祉士養成課程での教育と、精神保健福祉に関する各種調査研究活動を行います。学問的理論と現場の実践や本音などを結びつけること、日本の精神保健福祉全体の向上に役立つような研究報告も行います。また各職場の精神保健福祉士も「精神保健福祉援助実習」の現場指導者として、教育・養成に携わります。

また、常勤の職場を持ちながら、委嘱を受けて特定の会議等に継続参加する業務もあります。

たとえば、都道府県・指定都市に設置される精神医療審査会や、市町村が行う障害者総合支援法下での障害程度区分認定審査会、社会福祉協議会の地域福祉権利擁護事業や運営適正化委員会への参加などです。

 

資格取得までのルート

精神保健福祉士(PSW)になるには、さまざまなルートがありますが、どのルートも最終的には国家試験の合格が必要です。

福祉系大学や短大卒で指定科目を履修している方はすでに受験資格があります。

社会人や主婦の方がこれから目指す場合、保健福祉系以外の大学や短大を卒業した方は、短期もしくは一般養成施設を卒業することで国家試験受験資格が得られます。

大学や短大を卒業していない方にも、働きながら大学卒業資格を得ることができる通信制大学を経て養成施設を卒業し、国家試験を受験するルートが残されています。

また、社会福祉士の資格をお持ちの方は、養成施設で6ヶ月以上学んだ後、国家試験を受験する際も一部科目免除があるなど連携されていることから、ダブルで資格取得を目指す方も少なくありません。

保健福祉系大学

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  • 福祉系大学など(4年/基礎科目履修)

福祉系大学・短大(基礎科目履修)・対象職種従事者

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  • 保健福祉系短大など(3年/指定科目履修)
    →卒業後、相談援助の実務経験1年が必須
  • 保健福祉系短大など(2年/指定科目履修)
    →卒業後、相談援助の実務経験2年が必須
  • →短期養成施設など(6ヶ月以上)

  • 福祉系短大など(3年/基礎科目履修)
    →卒業後、相談援助の実務経験1年+短期養成施設など(6ヶ月以上)
  • 福祉系短大など(2年/基礎科目履修)
    →卒業後、相談援助の実務経験2年+短期養成施設など(6ヶ月以上)

社会福祉士取得者

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  • 社会福祉士

一般大学・短大・相談援助

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  • 一般大学(4年)
    →一般養成施設など(1年以上)
  • 一般短大(3年)
    →相談援助の実務経験1年+一般養成施設など(1年以上)
  • 一般短大(2年)
    →相談援助の実務経験2年+一般養成施設など(1年以上)
  • 相談援助
    →相談援助の実務経験4年+一般養成施設 など(1年以上)

 

試験内容

  • 精神疾患とその治療
  • 精神保健の課題と支援
  • 精神保健福祉相談援助の基盤
  • 精神保健福祉の理論と相談援助の展開
  • 精神保健福祉に関する制度とサービス
  • 精神障害者の生活支援システム
  • 人体の構造と機能及び疾病
  • 心理学理論と心理的支援
  • 社会理論と社会システム
  • 現代社会と福祉
  • 値域福祉の理論と方法
  • 福祉行政法と福祉計画
  • 社会保障
  • 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
  • 低所得者に対する支援と生活保護制度
  • 保健医療サービス
  • 権利擁護と成年後見制度

 

キャリアアップ・関連資格

 

保育士

保育士とは「専門的な知識と技術を持ち、児童の保育、児童の保護者に対する保育に関する指導を行う者」を言い、児童福祉法に基づいた国家資格です。

保育士は「名称独占資格」である為、保育士の資格を持たない者が保育士の名称を用いて従事することは法律で禁じられているものの、保育士でなければ出来ない業務というのが特にないのです。

保育士は1999年4月の児童福祉法施行例の改正によって「保育士」と名称変更されましたが、かつては「保母さん(又は保父さん)」と呼ばれていました。

保育士は乳児や幼児を基本的な生活習慣を養う為に保育する役割があります。子供の身の回りの世話と行うとともに、子供の自立芯や社会性を養い、子供と遊ぶことを通して子供の心身の健康や発達を促します。

保育士は子供達だけではなく、子供の保護者に対して保育に関する指導を行えます。

保育士は何等かの事情で保育を行えない保護者に代わって保育をする役割があります。

出産の減少により子供の人数が少なくなっているものの、共働き世帯数は上昇の一途を辿り、寧ろ待機児童問題が深刻な業界であり、保育士不足も同様に問題となっているのが現状です。

保育士として働くには子供好きでコミュニケーション能力に長けた人が適していると言えます。保育士は子供を相手にするだけではなく、保護者や子供の祖父母と話す機会もあり、更にグローバル化によって語学力を要求される可能性があります。

そして子供はじっとしていることが苦手。走り回る、喧嘩する子供たちを相手にすることは肉体勝負な仕事です。実は保育施設に勤務する看護師や栄養士も子供を相手にする時もあることから体力を求められているのです。

看護師や介護、栄養士のように従事する大半が女性を占めていますが、男性のマンパワーを求められている業界でもあります。

 

保育士の仕事

保育士の勤務先は次のものが挙げられます。

  • 保育園
  • 児童養護施設
  • 知的障害施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 幼保連携型認定こども塩
  • 児童自立支援施設
  • 児童家庭支援センター
  • 助産師節
  • 情緒障害児短気治療施設
  • 企業の託児所
  • ベビーシッター
  • 民間の幼児教室
  • 無許可保育所

上記のように保育を必要とする施設の種類は数多くあります。

保育士の主な仕事は「子供の身の回りの世話」「生活習慣の教育」「自立心、社会性の養成及び心身や健康の発達」「保育に関する指導」があります。

 

資格取得までのルート

保育士の資格を取得するには次の二つのルートがあります。

  • 4年制大学、短大、専門学校で保育士養成課程を修了するルート
  • 保育士試験に合格するルート

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4年制大学ルート

大学では4年間時間をかけて保育知識や技術を学ぶとともに一般教養も幅広く学べます。

保育士の業界では栄養士や介護士と同様に仕事の割りには賃金が低いことが問題視されています。

ただ、4年制大学を卒業した方が比較的給与が良くなる可能性はあります。

短大ルート

短大ルートでは2年間で保育士養成課程を修了することから大学よりカリキュラムがハードになります。

保育士養成施設校の中では一番短大が多く、「保育科」「子供学科」「幼児教育学科」等複数学科があるので、どの学校でどのカリキュラムが合うのかよく比較検討してみましょう。

学校によっては「保育士免許」と「幼稚園教諭免許」の両方を取得出来る所もあるそうです。

専門学校ルート

専門学校も短大同様に短期間でカリキュラムを修了します。

学校によっては介護業界で働くための知識を学べる場合もあります。

国家試験ルート

保育士国家試験受験資格は下記の通りとなります。

  • 大学、短大、高等専門学校を卒業している。
  • 1991年3月31日以前に高等学校を卒業している。
  • 中卒又は高卒後、児童福祉施設で2年以上、且つ2800時間の実務経験有。
  • 児童福祉施設にて5年以上、且つ7200時間実務経験有。

大学、短大等で保育士養成課程を修了後、若しくは国家試験合格後、都道府県知事に保育士登録申請することによって「保育士証」が交付されます。

 

試験内容

保育士国家試験で出題される科目は下記の通りです。合格率は10~20%と難易度が高い為、相当努力を要するでしょう。科目ごとに合格不合格があり、合格した科目については3年間の有効期間があります。なので、有効期間中は合格した科目を免除して試験を受けることとなります。

《筆記試験》

  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 児童家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子供の保健
  • 子供の食と栄養
  • 保育実習理論

《実技試験》

  • 音楽表現
  • 造形表現
  • 言語表現

上記のうちから2つを選択して実技試験をします。

 

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まとめ

これらの福祉系の仕事は、対人業務において非常に難易度が高い仕事です。

介護福祉士や保育士は自分の特技があると有利です。(ピアノが得意、書道が得意、歌が上手い等)

介護のスキルにしろ、相談系のスキルにしろ、持っていると役立つ部分も多いのですが、就職となると中々給料が割りに合わないことも少なくありません。

仕事は大変…でも、キャリアが物を言います。

https://nayamerueiyoushi.info/iryoukaigotensyoku/

 



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