病院や施設の専属の管理栄養士として就職することはハードルが高いと思いますよね?
規模が中規模以下である病院や施設は一人体制とし、厨房に関しては委託会社が入っているパターンが多いという状況です。
給食委託会社で働くより、施設や病院の職員として雇われる管理栄養士の方が遥かに条件が良いと思われやすいですが、基本的にコメディカルの中では栄養士は社会的な立場が弱い上に低所得な為、給与面での期待は出来るとは言い難いです。
期待を裏切るみたいだけど、管理栄養士も残念!というのが事実です。
事業所には当たり外れあり
給食業務を委託すると厨房業務や食材発注は委託会社が担当するので、業務的な負担は軽減されるし、厨房スタッフの中の複雑な人間関係に巻き込まれることはそう滅多にありません。
給食委託会社が入っていても直営であっても、施設や病院の給食部門の根本的な運営方法は施設、病院ごとに違います。
これは管理者によるといっても過言ではないでしょう。
厨房部門が業務委託化されていない場合は、栄養部門の責任者(管理栄養士に配当されることが多い)が、栄養部門全体を統括して、管理栄養士業務を行う他にも厨房業務に関する指導や管理を行っていきます。
自分の思い描いた通りに栄養部門を統括出来るので、高い理想を持っている場合は、その実現に向けて動けるというメリットもあります。
これは、栄養部門に関して権限を持つことが出来る故なのです。
サービス向上の為の実現に参画しようとする部下であれば、仕事のパートナーとして頼もしいものの…
その一方で、サービスの質の向上を図ろうとすると頭ごなしに屁理屈を叩くスタッフが多い事業所もある。
これには部下の仕事に関する意識も大きく関わり、直営でも事業所の人間関係によって大きく左右されます。
ただ、直営の場合は介護や看護からの現場の要望に100%までとは言いませんが、かなりの確率で応えられるので融通が利き、早く対応出来るというメリットがあります。
新卒管理栄養士の苦悩
給食委託会社に就職しようと、運よく病院や施設に就職出来ようと、待っているものは「責任者」というポジション。
給食管理が出来ない管理栄養士はバカにされる
いくら管理栄養士養成施設で4年間履修しても、現場に出れば一年生なんです。
新卒で病院専属の管理栄養士として就職できたけど、喜びは束の間。
実際働いてみると委託会社の調理師に高圧的に出られ、挙句の果てに「管理栄養士は仕事が出来ない」とレッテルを貼られてしまう…という現実があります。
今の管理栄養士養成施設校の卒業生は栄養管理についてしっかり学んでいるのだから、フードサービスはベテランの栄養士に任せて、新人であろうと管理栄養士は栄養管理業務に従事すべきだという声もあります。
しかし、栄養士が行う給食管理業務でさえも厨房業務を知らなければ、厨房スタッフとのトラブルに繋がりかねません。
病院専属の管理栄養士として従事するということは、栄養部門の統括を任されることであり、委託会社のチーフよりも責任が重くなります。
全くの未経験であれば、厨房のことなど知るわけがないんですよね。
厨房のことを何も知らない状況でやっていれば、オペレーションを無視した献立を作成してしまい、調理師との溝が深まるという結果を招いてしまいます。
板挟みの苦悩は栄養士より上回る
板挟みの苦しみは栄養士だけではなく、管理栄養士も苦しみを味わうものです。
栄養士の場合は、事業所側の管理栄養士、調理師、調理員との間での板挟みに悩みますが…
管理栄養士の場合は、委託会社のスタッフ(担当者、チーフ、調理師)の他にも、院内のスタッフとの関係も絡んできます。
医師とのやり取りが難しかったり、栄養部門においてクレームが発生すると、真っ先に管理栄養士が注意されます。
院内の人間関係が劣悪だと、看護師や介護士、ケアマネから怒鳴りつけられることがありますよ。
いくら栄養診断や栄養管理業務の手順をマニュアル化したとしても、これでは新人スタッフの悩みの根本解決に至ってませんですからね。
こんな状況だから離職率も多いのでしょう。
管理栄養士は委託会社に対して女王様ではない!
給食業務を委託している場合、管理栄養士は事業所側と委託会社側の中立的な観点に基づいて物事を考えていかなければなりません。
事業所と委託会社は会社が違う事から根本的に仕事に対する理念が異なります。
委託会社のスタッフの上司は当然、事業所専属の管理栄養士ではなく自分の会社の上司が該当します。
つまり、専属の管理栄養士は委託会社のスタッフに対して絶対的な権限を持っていないのです。
専属の管理栄養士と上司との意見が枝分かれした場合、委託会社のスタッフは自分の上司の指示に従います。
また、介護士や看護師からの食事相談を受けても、一度委託会社の方に可能かどうか確認してから返答しなければならないので手間が増えます。
委託会社からの返答も必ずYesではない為、現場にとってベストだと判断したことが叶わないことも多々あります。
委託会社のスタッフの質はあまり良いとは言えなく、パート同士で勤務を組まれるとミスが多発します。
介護や看護の現場から厨房に関するクレームを受けた時に、委託会社に向かって偉そうに強い態度をとる人もいますが、これって委託会社との溝を深めるだけですからね…
これは事業所と委託会社の連携を円滑に行う上においても大事ですし、心無い言葉は厨房スタッフのモチベーション低下を起してしまい、更にサービスの質の低下に繋がってしまうからです。
とは言うものの、何等かの形で管理栄養士と委託会社の間でトラブルが発生してしまうことがあります。
これが委託会社側に原因があると管理栄養士の力だけではかなわない場合があります。
実際、委託会社が厨房の清掃があまりにも未徹底な為、何度か注意をしたことがありましたが、同じことを何度も注意しているにも関わらず、全く改善されないことがありました。
厨房内のあらゆる場所が汚いにも関わらず、清掃チェック表はきちんと○印が付いていて、書面上では完璧にこなされていることにしていたのです。
また、食事の味が不適切なことがあり、同じことを何度も注意しても改善されないことがありました。
何故、このような不適切な行為を平気でするのかというと、利益が一番と考えているからです。
しかも、最近では委託会社は決して立場が弱いわけではないので、事業所側の管理栄養士に対して強気に出てくる場合があります。
B社の本社のスタッフの中には、いきなり病院のPCを弄りだしたというデリカシーのない輩もいましたから。
管理栄養士の資格を持っていると言わんばかりに謙虚さのない人でしたよ。
これらが悩みの種となっている直属の管理栄養士も少なくありません。
委託会社の栄養士が新人というケースであっても決して問題がないわけではありません。
委託会社のスタッフの上司は事業所の管理栄養士ではないので、委託会社スタッフは自分たちの上司であるマネージャーやSVから指示されたことを優先し、利益を上げることに躍起になっています。
これが理由で見当違いなことをやられることも結構ありますよ。
委託会社の不祥事は写真を撮って証拠を残しておきましょう。
委託会社が事業所の要求に一切応じないという問題をどのように対処するか、管理者の度量が左右されます。
委託業者によって患者様や利用者様という一番大切にすべきお客様に迷惑をかけてしまっている場合、委託会社は事業所側からお金をもらっている以上全く責任がないわけではないのです。
正当な管理者なら、給食委託会社に是正勧告するんですけどね。。。
上司がクズだと最悪なことに。。。
本来、上司にあたる管理者は部下を守る義務があります。
ところが残念なことに管理者には「人間のクズ」とも言える人がいるのも現実です。
このような管理者は私情でもって部下の良し悪しの判断をします。
もし管理栄養士が気に入らないのであれば、委託業者がどんなに不祥事を犯しても委託会社を一切注意せず、更に委託会社の肩を持ち、全て管理栄養士の責任にして、挙句の果てに第三者である委託会社の人間の前で管理栄養士を叩く行為をします。
しかし、管理栄養士には厨房業務を行っている委託会社に対して権限を持っていない為、責任ばかり押し付けられるばかりで尚且つ安月給の「名ばかり管理職」となってしまうのです。
ただでさえ板挟みにされやすい立場である上に、管理者の扱いがぞんざいであれば、仕事へのモチベーションは大きく下がり、職場における自分の存在意義が分からなくなってしまいます。
直営の場合でもクズ上司の被害に遭う
直営の場合は大抵、管理栄養士1名、栄養士1名は少なくとも配置されています。
栄養部門の責任者として配属されるのは管理栄養士なのに…肝心な話を責任者である管理栄養士には一切しないで栄養士ばかりに、そして管理栄養士のいないところでコソコソやる小癪な上司もいます。
これは上司が栄養士をお気に入りとしていたり、愛人関係若しくは不倫関係がある場合に見られます。
そして管理栄養士に対して好意を抱いていないというのもあり、栄養士にとって管理栄養士が不都合だという報告を受けたら、何等かの形で退職届を出すように仕向けたり、管理栄養士より栄養士を立てて管理栄養士に自己否定間を植え付けさせます。
この栄養士が人間的に愚かだと、管理栄養士を見下し、マウントを取ることさえあります。
だから企業は…
本来、施設の管理者はこのようなことをやるべきではないのです。人間とは非常に未熟な生き物であって、人との相性や好き嫌いの私情があるのは当然です。
しかし、お金をもらってサービスを提供している以上、一番大切にすべきなのは自分のお気に入りの部下ではなく、お客様なのです。
仕事のパートナーが気に入らないのであれば、感情を剥きだしにせず、仕事のパートナーとしてお付き合いしていくことが賢明でしょう。
それを実践出来ない管理者が多いことから、日本の企業の9割以上はブラック企業だと罵られても仕方ないと思うんですけどね。
まとめ
栄養士は給食委託会社働いている人だけがブラック企業の苦しみを味わっているわけではありません。
実は病院や施設の専属の管理栄養士でさえもブラック企業の苦しみを味わっているケースもあるのです。
世の中の全ての事業所が必ずしもこのようなケースとは限りませんが、余りにも酷い場合は環境を変える必要性があるでしょう。
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