え?そんなバナナ??
ってタイトルですが、これはノンフィクションではありません!
職場の統括がフェアではないと、「正直者が馬鹿を見る」事態を発生させてしまいます。
無理な勤務は、心身ともに滅ぼすことに繋がりますからね…
当事業所の人事体制は酷いもの
給食委託会社で働く環境は事業所によって大きく左右されます。
その環境は事業所専属の管理栄養士から見て、見るに見れないケースもあります。
しかし、事業所専属の管理栄養士は委託会社のスタッフではない以上、無暗矢鱈と委託会社に口出しが出来ないのです。
かと言って、これは放っておいたら危険なケースもあります。
この人員構成が「お人好し」と「図々しい人」という二極化があると、著明に現れます。
給食委託会社の人員配置は、通常病院であれば必ず栄養士を配置します。
しかし、私が見てきた中で酷い人員配置をしていた事実もありました。
…というのも、病院なのに栄養士が配属されていない。。。
それは、栄養士の業務を担うのがパートということになるのです。
しかも、病院管理栄養士が不在時に食事箋の処理を行うのが委託会社のパート(調理補助)となるのです。
その責任の所在は担当したパートスタッフなのかな?って話ですが…
その人員構成はどのようになっていたかというと…
- 調理師1名(チーフに就任)
- パート調理師1名
- パート調理補助3名(8時間勤務)
- パート調理補助3名(ショート)
って、一人除いてパートって…
元々、この委託会社と契約した時は、栄養士を配属することとして約束がなされていたのです。(当時は事務長から委託会社に栄養士を配置するように何度も注意をしていた)
この時、担当をしていたマネージャーは、スキンヘッドの暴力団上がりらしき人だったのです。
このスキンヘッドは自分の利益のためには他人を犠牲にするほどの素性の持ち主であり、当然「お客様の為」を思うことは皆無です。
業務分担が極端
この中で、チーフをやっている調理師は超お人好しでした。
病院から指示されたことは間違いなく遂行し、患者様は勿論のこと、職員のデータも細かく踏まえた上で食事提供をしていました。
そういう人材が数多くいれば有難いのですが…
責任者がお人好しすぎる
その調理師はパートスタッフの性格が良かろうと悪かろうと、パートが本来行うべき鍋や釜の洗浄まで自分で行っていました。
厨房内の清掃は調理師が抱え込んでいた状況です。
その厨房がクリニックのような小規模の厨房であれば一人の掃除でも負担はそれほど大きくありませんが、その厨房は100食を目安に作られており、確実に40坪以上の面積がありました。
それだけ面積のある床を一人でデッキブラシで磨いていたら、腰を傷めてしまう位なのに…
床だけではなく、排水溝や換気扇のダクトの掃除までも背負っていたのです。
他のスタッフには一切指示を出さないので、パートスタッフは清掃に携わりません。
厨病業務においてもスタッフには指示を出さないので、パートスタッフは手が空くと厨房内で突っ立っている状態となる一方、調理師は馬車馬のように動いています。
図々しいパートが2名
図々しいパートは先輩かと思われますが、スタッフの中では後から入社したスタッフです。
何故か先輩スタッフを差し置いて先輩気取りしている有様です。
挨拶をしないし、凄い感じの悪いスタッフでしたよ。
この図々しいスタッフ達は「嫌な仕事」は「出来ません」と言って断っていました。
お人好しのチーフは「出来ない」と言葉を鵜呑みにして、その仕事すらも調理師の仕事として背負いこみました。
結局、調理補助のパートの仕事は「食器洗浄」と「盛り付け」だけ。
たまに夕食時の食事箋(食事指示書)を処理する程度です。
おまけに勤務シフトについては「早番は出来ません」。
そうなると、早番を組めるスタッフも限られてしまいます。
その為、スタッフによっては毎日早番を組まされるということになります。
一方調理師の仕事はというと…
- 調理
- 仕込み
- 副食を刻む、ミキサーにかける
- 器具の洗浄
- 掃除
- ゴミ捨て
- 検収
- トレイセッティング
- お茶の準備
- 水分補給用のゼリー作り
中にはパートがやるべき業務もあるのですが、これを調理師だけで背負っていたのです。
それなので、1日延べ300食分の仕込みを調理師一人でやっていた状態です。
調理師は毎日早番を組まされる
ここの勤務シフトは調理師2人とパートのうち一人が早番を組めるとのことでしたが、3人でローテーションを組んでいました。
チーフは当時40代前半位で、動きも良くバリバリ働ける人でした。
元々スポーツをしていた人なのでスタミナはあるんですけどね…
しかし、もう一人の調理師はパートなんです。
そのパートスタッフは70歳近い男性スタッフ(Iさん)でした。
毎日早番を組まされて、チーフと同じように働いていました。
年配スタッフであるIさんは、チーフとシフトを組んでいる時はチーフのフォローがあるので辛うじて定時で仕事を切り上げることが出来ますが、休憩時間が取れない状況です。
しかし、チーフは他事業所のヘルプに入ることが多く、当事業所に在籍する日は月の1/3程度。
チーフがいないと当然休憩時間が取れなく、夕方まで残業となってしまいます。
調理師として働いているチーフとIさんは普段から休憩時間返上の為、早朝から勤務終了までぶっ続けで労働し、暑い調理場で馬車馬のように動いていました。
日によっては休憩時間なしの12時間労働
70歳近い年齢にも拘わらず、Iさんはパートスタッフとシフトを組んだ日は残業が当たり前となります。
朝から日中にかけては調理の業務だけで手一杯な状態です。
勿論休憩は取らず、定時の時間に調理業務を終えると、次は仕込み(野菜の切裁)業務に入ります。
この、延べ300食以上の食材のカットを誰の助けもなく一人で行います。
これが終了するのが6時近く。
このタイミングで昼食休憩にやっと入れます。
何故、このような無理な仕事をやらされているのかというと…
Iさんもお人好しで、仕事を引き受ける傾向がありました。
笑顔で「いいよ。やりますよ!」と快く引き受けます。
チーフは受けた言葉をそのまま鵜呑みにする性格であり、Iさんは「大変な(ブラックな)仕事」を快く引き受けてくれるものだと解釈していたのです。
一方図々しいパートは何をしていたの?
この図々しいパートスタッフたちは、中番又は遅番というシフトを組んでいました。
普通だったら中番に栄養士が入るんですけどね…
家庭の事情があって早番が出来ないのならともかく、この人達の置かれている状況は独身で私生活ではそれほど拘束されない身。
なので、個人的な我儘でもって何等かの理由を付けながら「早番は出来ない」と言って中番や遅番のシフトに入っていました。
しかし、中番以降のタイムスケジュールは??
9:40 食器洗浄終了後に喫煙
10:00 副食盛り付け(遅番出勤)
10:30 喫煙
11:00 主食盛り付け
11:30~12:30 喫煙
12:30 食器洗浄
13:00 休憩
14:00 食器洗浄
15:00 盛り付け
15:30 休憩
17:30 盛り付け
18:00 休憩
18:30 食器洗浄(中番勤務終了)
19:30 遅番勤務終了
青文字…本来与えられている休憩時間
赤文字…サボり
こんなオペレーションとなるのです。
拘束時間の半分以上が休憩時間という有様!(しかも残業代もしっかりいただいている)
パート調理師のIさんが厨房に残って作業をしていても、一切協力することなく、一方は休憩時間を裂いて作業を行い、一方は外で煙草を吸ったり休憩室でテレビを見ているという有様。
その上、給食委託会社による食事オーダーミスが多発していたものだから、こちらとしてはたまったもんじゃありません。
あまりにも酷すぎたので、こちらから働きかけましたよ。
体制は変えてもらったものの…
マネージャーを変えることとなって人員体制も見直され、これによってIさんは休憩なしの12時間労働から解放されるようになりました。
癖の強いスタッフを追放したお蔭で職場のギスギスした人間関係も改善されたのです。
ところが、翌年の健康診断にて…
Iさんに癌が見つかったのです。
この話は当時のマネージャーを介して聞いたのです。
年齢的にこの先働くことはそう長くはないだろうとは思っていたのですが、癌となれば治療が優先となりますからね…
ショックだったと同時に、老体に鞭打った仕事がこのような結果を招いてしまったのではと思わんばかりでした。
まとめ
このような事態になったのには一人ひとり要因があったものです。
- Iさんがお人好し
- チーフが表面的な言葉を真に受ける
- チーフが部下を取りまとめる力が弱い(癖の強いスタッフに太刀打ち出来ないし注意もしない)
- 癖の強いスタッフのネガティブなパワーが強い(口も達者)
- 癖の強いスタッフが我儘で自分勝手
- マネージャーが自分勝手
人の性格は変えられないとしても…
それ故に業務分担が極端に偏ってしまい、犠牲者を出してしまったということになるのです。
このような酷い状況を変えるには、早急にマネージャーを変更することを委託会社に依頼することです。
ただ、当時は委託会社の不祥事に対して事務長が対処をしてくれていました。
しかし、管理者がクズだと…この責任を全て管理栄養士に擦り付けます。
「お前の管理能力がないからスタッフが癌になるんだ…」と。
でも、先に対処することはマネージャーを変えて無理な労働をしているスタッフを守ること。
これと共に自身の環境を変えることに努めましょう。