ごみ捨ては殆どの企業においては清掃員を雇ったり、業務委託化している清掃員に任せているのではないのでしょうか?
厨房業務のごみ捨てとなると、必然的に厨房スタッフがごみ捨てを行うこととなります。
嫌な雑用業務の一つですが、部下にごみ捨てをやらせることはパワハラにあたるのだろうか?
結論を言えばパワハラではない
ごみ捨てをやらせることは結論を言っちゃばパワハラではありません。
業務の一環です。
ごみ捨てにしろ、トイレ掃除にしろ、厨房業務に関わっている以上、持ち回りで平等に行うべきでしょう。
しかし、パートスタッフ(特に女性)にごみ捨てをやらせるのか可愛そうだからといって、その仕事を心優しい調理師が全て背負っていたというケースがありました。
このパートスタッフに対する親切は、ごみ捨てだけではなく、本来パートが担うべき鍋や釜の洗浄、料理のキザミやペースト加工までをも調理師がやっていたという始末。
ごみ捨ては特定のスタッフが担当していた
この厨房には、ちょっと変わった性格をしていた男の子がいました。
彼は調理師の資格を所持していながら調理補助のパートというポジションに就いていました。
優秀だったらそんなことはないのですが、社員(調理師)として任せられないからこのようなポジションについているのです。
立場的には他の調理補助と同じ立ち位置になるのですが…
しかし、チーフの管理能力不足なのか…彼だけは他のパートより違った役割を与えられていたのです。
この事業所は、「ごみ捨て」と「納豆の準備」は、この男性にやらせればいいという考えが以前からありました。
本人が出勤している時は、かならずごみ捨てはこの男性が行い、休みの時は他の従業員が行っていたのでしょう。
そもそも、この考え方自体が誤っています。
その従業員がどういう人間であろうと、人が嫌がる業務を一人に人間に押し付けるのはどうかという話です。
この厨房は給食委託会社なので、退職や異勤によってメンバーの入れ替わりがあります。
そのため、この男性が「ごみ捨て」と「納豆の準備」やることだと暗黙の了解が出来てしまっています。
しかし、こんな底辺のような雑用を押し付けられているかと思えば、直属の管理栄養士が不在の時に食事箋管理を行っているし、それも不思議な話。
決して、このパート男子はお世辞にも優秀なスタッフとは言えません。
他のパートスタッフが食事箋管理に全くタッチしない上に、委託会社の栄養士でさえも食事箋業務には関わらない…
というか、委託会社の栄養士に食事箋についての説明をしたはずなのに、何故、そのパート男子が食事箋管理をやっていて栄養士がやらないんだ?とうことを委託会社にクレーム付けたこともありました。
同じ調理補助として雇われているのなら、他のスタッフと平等に扱うべきなのでは…と思ったんですけどね。
女の子を虐めるのは可愛そう
しかし、同じパートでも男性と女性でかなり扱いが違います。
女性に対しては…
- ごみ捨てはやらせない。
- 鍋や釜等の調理器具の洗浄をやらせない
- キザミやペーストの加工をやらせない
- 掃除をやらせない
- 食事箋の管理をやらせない
- 注意しない
- 指示しない
- 与える業務は食器洗浄と盛り付けのみ
一方、パート男子に対しては全く違います。
- ごみ捨て担当
- キザミやペーストの加工をやらせる
- 掃除をやらせる
- 管理栄養士不在時に管理栄養士業務を任せる
- 集中的に指示をされる
- 厳しく注意する
- お茶ゼリー(水分補給用)、おやつの調理
調理師の世界は、色々としがらみがあり、調理師に仕事を教えない、男性に厳しいというのがあるそうですが、女性パートスタッフにごみ捨てや雑用をやらせるのはパワハラだからといって必要以上にかばえば、他のスタッフがそのしわ寄せを受けます。
この現場の責任者に立っている調理師はお人好し過ぎることから、女性パートも担うべき仕事を本人が担っていました。
パート男子が休めば、パート男子が普段担っている「ごみ捨て」や「納豆の準備」を調理師が担うことになります。
そして、女性パートスタッフが手を持て余して仕事中突っ立っていても、指示することなければ注意することも一切ありません。
そして、女性パートスタッフに食事箋管理をやらせないのも理由がありました。
女性パートスタッフさんたちは栄養に関する知識がないから、確かに食事箋管理を覚えるのに一苦労かもしれません。
ただ、ミスをするリスクは高いと言えます。
食事オーダーミスをすればインシデントに繋がります。
インシデントを起こせば、インシデントレポートを書くこととなり、インシデントを起こした当人が当事者となります。
このようなことからも、女性パートスタッフがインシデントの当事者とならないように守っていたのです。
つまり…対女性スタッフには…
- ごみ捨てをやらせるのは可愛そう
- 調理師が作業時に使った調理器具を洗浄させるのは可愛そう
- パートスタッフが食事オーダーミスの当事者になるのは可愛そう
- パートスタッフにこれ以上業務を与えるのは可愛そう
- パートスタッフに指示を煽るのはパワハラだ
- パートスタッフに注意するのは虐めだ
このような概念でもって厨房業務を運営していたのです。
一方男性スタッフは?
しかし、パート男子は他の女性パートスタッフと扱いが対象的となります。
- ごみ捨てをやらせるのは当たり前
- 社員がいない日の責任はお前が責任取れ
- 間違えを厳しく注意する
- 責任重大な仕事を任せる
確かに、この男性スタッフは相当な変わり者でした。
このスタッフにごみ捨てをやらせるのはパワハラだからといって、やらせなければ、当然誰かが背負うこととなるのですが、その犠牲を払っていたのが調理師と男性パートスタッフでした。
でも、これはある意味、パート男子に対するハラスメントですよね。
まず、ごみ捨てや雑用という仕事は、パートに平等に与えるべきであり、そもそも初めから食事箋管理はパートに任せるべきではないでしょう。
そして、人を見て判断すること自体が、上に立つ人間のやることではないんですよ!
あるスタッフが仕事をサボっても一切注意しないのに、あるスタッフには少しでも仕事を間違えると厳しく注意する…というのは差別行為です。
調理師と男性パートスタッフがいないと…
一時期、調理師と男性パートスタッフが同じ日に休むというシフトが組まれていた時期がありました。
それなら、パートがごみ捨てを担うのではないのか?と思いますが…
この時、ごみ捨てを任せられたのがチーフ(栄養士)だったんです。
何でそこまでパート(女性)を保護するん?
だったら、女性パート要らなくね?
切れば~?
…という話w。
流石におかしいので委託会社に「この作業分担は可笑しい」旨を話しました。
案の定…
「ゴミが重いから、パートさんたちはゴミ捨てが出来ないんです」
…というか、初めからそんなひ弱なスタッフを雇うなよ!って話。
まとめ
病院や施設の厨房は、栄養士、調理師、調理補助とそれぞれの立場の人間が入り混じっているため、完全に平等に扱うことは難しいです。
同じ調理補助のスタッフであっても職能に個人差があるものの、基本的に同じように扱って、仕事を采配すべきところは采配します。
今回の件は女性パートスタッフにとって成長の場を妨げられることからデメリットになる上に、しわ寄せを受ける男性パートスタッフにとっても不快なものです。
仕事をゴミ捨てや掃除しか与えない、キャパオーバーな仕事を無理矢理押し付けるのは立派なハラスメントですが、調理補助というのは、調理師だけでは賄いきれない作業(雑用)をフォローして、調理師の負担を軽減させるために配属されています。
その為、男性であろうと女性であろうと、パートにゴミ捨てをやらせるのはごく当たり前のことであって、決してパワハラではないのです。