仕事を何年か続けていると、向上心のある人ならば「次のキャリアを目指したい」「ステップアップをしたい」という思いが沸いてくるでしょう。
栄養士、管理栄養士の原点の大半は給食委託会社の勤務経験ではないでしょうか?
給食委託会社で働くことは大変ですが、この経験は決して無駄ではありませんよ。
勿論、委託会社に残留して新しく資格を取ることだって可能です。
道の切り開き方はあなたの自由。
この記事を参考にして、どのように自分をカスタマイズしていくのか参考にしてみて下さいね。
管理栄養士を目指す
例えば、栄養士であれば管理栄養士を挑戦してみても良いでしょう。栄養士養成施設では学ばない科目もある為、自力での勉強が必要となりますが、講座を受けてみたり、問題集を解いたりして試験に備えておく良いでしょう。
2000年代序盤は受験者全体の2割程度の合格率で狭き門でしたが、当時に比べたらだいぶ合格ラインが低くなっているのではないでしょうか。
管理栄養士となると、病院や施設で栄養管理や栄養指導の仕事に従事出来、更に5年以上の経験を積むと介護支援専門員の受験資格が得られます。
給食委託会社で働くことは疲れを伴いますが、かつてのように休日出勤を強制されるようなことはそうはないでしょう。
働き方改革によって休みも取りやすくなっているので、以前よりは取得のチャンスがあると言えます。
管理栄養士からケアマネへ
管理栄養士として病院や施設に従事して、栄養指導などの相談業務を行っている場合は、上記で述べたように5年以上の経験があれば介護支援専門員の受験資格が得られます。
栄養管理計画書や栄養ケアプランは内容的に食事や栄養に特化していますが、ケアプランでは対象となる高齢者へ多角的にアセスメントを行っていくので、利用者様を別な視点から眺めることが出来ます。
また、栄養士とは業務内容がかなり違うので介護支援専門員として従事していれば、新たなるキャリアを積むことが可能になります。
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管理栄養士としての専門性を更に高める
医療機関の管理栄養士として従事している場合、もしくは在宅栄養管理を行っている場合、更に臨床について詳しく勉強して資格を取りたい場合は、「糖尿病専門療法士」「NST専門療法士」「摂食嚥下リハビリテーション認定士」等、学会関連の資格があります。
病院に転職する場合、専門分野に特化している印象を与えるので、非常に有利になり、管理栄養士として一目置かれやすくなります。
特定分野管理栄養士
現在、5つの特定分野において、特定分野管理栄養士として認定しています。
特定分野管理栄養士は、その領域の特定分野における実践活動により優れた成果を生むことができると同時に、自ら必要とするスキルを認識し、常にその資質向上に向けた研鑽を行うことができると、日本栄養士会が認めるものです。
- 特定保健指導担当管理栄養士
詳しくは……特定保健指導担当管理栄養士 - 静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
詳しくは…静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士 - 在宅訪問管理栄養士
詳しくは…在宅訪問管理栄養士 - 公認スポーツ栄養士
詳しくは…公認スポーツ栄養士 - 食物アレルギー管理栄養士・栄養士
詳しくは…食物アレルギー管理栄養士・栄養士
専門管理栄養士
日本栄養士会では、平成25(2013)年度より厚生労働省の委託を受け、管理栄養士専門分野別人材育成事業を進めています。
本事業では、より卓越した技術・知識を修得し、より複雑で解決困難な栄養の問題を有する個人や集団に応じた栄養管理を実施でき、その専門性を教育や研究スキルにも発揮できる管理栄養士を、専門管理栄養士として関連団体と共同して認定します。
- がん病態栄養専門管理栄養士
詳しくは…がん病態栄養専門管理栄養士 - 腎臓病病態栄養専門管理栄養士
詳しくは…腎臓病病態栄養専門管理栄養士 - 糖尿病病態栄養専門管理栄養士
詳しくは……糖尿病病態栄養専門管理栄養士 - 摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士
詳しくは…摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士 - 在宅栄養専門管理栄養士
詳しくは…在宅栄養専門管理栄養士
日本褥瘡学会認定士
医療機関、介護福祉施設、在宅において、介護度が重くなり「寝たきり」の状態になると褥瘡(床ずれ)を起こすリスクが高くなります。
日本褥瘡学会認定士は、この褥瘡の予防や治療の向上を目的とし、設立されました。
日本褥瘡学会認定士は、薬剤師の他、医師や看護師など、指定された医療に関わる国家資格を有している方のみ申請資格があり、それぞれ、認定褥瘡薬剤師、認定褥瘡医師、認定褥瘡看護師といった名称がつきます。
関連学会リンク先…日本褥瘡学会
日本摂食嚥下リハビリテーション認定士
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員歴が2年以上又は会員外で摂食嚥下に関わる臨床または研究歴通算3年以上、eラーニングを終了していることが受験条件であり、合格後、登録申請すると認定されます。
摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の取得に必要な資格です。
関連学会リンク先…日本摂食嚥下リハビリテーション学会
栄養サポートチーム専門療法士
NST(Nutrition Support Team=栄養サポートチーム)とは、低栄養状態の入院患者さんを対象に、多職種の医療スタッフが協力して、最良の栄養管理を行い、疾病の治癒や合併症の予防を目指す栄養ケアチームのことです。
「NST(栄養サポートチーム)専門療法士」は、管理栄養士をはじめ、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士など、NSTに関わる専門職が取得を目指す資格です。
NST専門療法士の資格がない管理栄養士も、栄養療法を行うことができますが、資格を取得することで、より豊富な知識と実践的な技術を持って、チームメンバーと連携しながら、患者さんの栄養サポートを行えるようになります。
関連学会リンク先…日本臨床栄養代謝学会
サプリメントアドバイザー
サプリメントアドバイザーとはサプリメントや保健機能食品について、消費者に対して専門的な観点からその消費者の健康状態に合わせて、サプリメントの成分や機能、活用方法などについて適切にアドバイスを行う職業のことをいいます。
関連学会リンク先…日本臨床栄養協会
栄養相談専門士
少子高齢化社会となり、今後超高齢化社会となりつつ我が国では、国民皆保険制度を始めとした社会保障制度の維持が財政的に非常に厳しくなっています。
安易に薬剤やサプリメントに頼らず、食と栄養の観点から健康寿命の延伸・セルフメディケーションの推進を図ることが出来る管理栄養士を目指します。
関連学会リンク先…日本臨床栄養協会
日本糖尿病療養指導士
糖尿病とその療養指導に関する幅広い専門知識をもち、患者さんの生活を理解し、適切な自己管理がおこなえるよう援助する役割を持つ看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士に与えられる資格です。
関連学会リンク先…日本糖尿病療養指導士認定機構
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栄養経営士
栄養管理のチームマネジメントに関する臨床スキル、コミュニケーションスキル、リスクマネジメント、コンプライアンス、人材育成など多岐にわたる知識を習得し、かつ、実務の現場において広くその知識・経験を発揮できる、「栄養管理の経営」を担う専門職です。
関連学会リンク先…日本栄養経営実践協会
フードコーディネーター及びその他民間資格
栄養士という食に携わる資格を持っているのなら、フードコーディネーターもお勧めの資格の一つです。
フードコーディネーターは同じ食事関連の資格でありながら、専門性は幅広く、現役で活躍している人たちの仕事内容はメニュー開発、飲食店のプロデュース、料理番組の取材などメディア関連、料理教室、食器のプロデュースと様々です。
フードコーディネーターの資格は栄養士や調理師の取得者とは限らず、IT関連、厨房機器業者、デザイナーと栄養士とは一見関わりを持ってない分野の人にも携わりがあります。
フードコーディネーターを持っていると、栄養の知識やスキルが上乗せされるので、活躍の場で有利となるでしょう。
このほかにも「マクロビオティック」「スーパーフード」「薬膳料理」「介護食」など数多くの民間資格があります。
栄養とセラピー
食に拘らなくても、マッサージや癒し関連を目指してみるのも良いでしょう。
栄養士とマッサージは一見関係しないようですが、整体やアロマセラピー、リフレクソロジーは健康管理に関わっています。
いくらマッサージをしても、不摂生では健康な身体を作ることは出来ません。
少しでも身体の調子をよくするには栄養を摂ることが大切になります。
実際に栄養学を学んでいる整体師もいます。
その人達は、健康な身体を手に入れるには栄養管理がいかに大切かを知っています。
なので、マッサージのスキルを身に付ければ、栄養学の知識が相乗し、場合によっては食事や栄養のアドバイスも出来るので、セラピストも一つの選択肢となるでしょう。
また、栄養と理学療法は両輪が伴ってはじめて結果にコミットします。
というと、あのダイエット方法をイメージしてしまうかもしれませんが、高齢者のサルコペニア管理にはリハビリだけでは摂取エネルギーより消費エネルギーが上回ることによって低栄養状態をきたし、却って悪化を招いてしまいます。
つまり、その人の身体状況や活動量を踏まえた上で適切な栄養管理を行い、筋力強化の為のリハビリを行えば、介護予防や健康寿命のアップに繋がります。
現在、「リハ栄養」は医療の世界で注目されています。
実を言うと…栄養とセラピーは、関連性が深いのです。
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エステティシャンとしての道
美容と栄養は切っても切り離せないものです。いくら高価な化粧水を使っても必要な栄養成分や抗酸化物質の摂取不足があれば、皮膚はダメージを受けやすくなります。
そしてダイエットと言えば食事療法が大きく関わります。
健康的に痩せられる知識を持っているのが栄養士の利点であり、ダイエットへの正しい情報提供に栄養学は大きく貢献します。
健康食品についてのアドバイスにおいても栄養学は底力となります。
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健康増進やスポーツジム
健康運動指導士やヨガインストラクターを目指して、健康増進に関わる仕事に就くのも栄養士としての知識を活かせます。
理学療法と栄養の関係は高齢者や患者へ対し、脳梗塞等で麻痺を起こした方への機能改善や、社会復帰や在宅復帰に向けての基本動作の回復を図ったものである一方、健康運動指導士やヨガインストラクター、スポーツジムで就職する場合は健康もしくは体調が安定している方を対象に健康増進を図るというものになります。
栄養と運動を並行することによって生活習慣病の予防や改善、そして健康寿命の延伸に寄与出来ると言えるでしょう。
そして、年齢が若い場合はエアロビ等の動的プログラムのインストラクターに挑戦してみたり、ダンスが得意であればダンス系フィットネスのインストラクターを目指すのも選択肢となるでしょう。
ホームヘルパー
また、介護関連の資格でも初任者研修は比較的習得しやすい資格です。
ホームヘルパーもスタッフによって料理の得意不得意があります。
栄養士の資格を持っているヘルパーの場合、料理のスキルだけではなく、咀嚼や嚥下状態に応じた調理が出来るという利点があります。
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取得困難な資格は若いうちに
キャリアアップを目指すのなら、取得困難な資格は若いうちに取得した方が得です。特に管理栄養士はスタミナのある若いうちにチャレンジすると良いでしょう。
「新しいことに挑戦したい」
そう思った時こそチャレンジする時期なのかもしれません。
まとめ
栄養士、特に管理栄養士は臨床栄養のスキルを持っていると有利になります。
が、栄養士の道はそれだけではないのです。
知識の幅が広ければそれだけ臨機応変に対応できるものですし、見解の広い人材はそれだけ重宝されます。
幾つになっても初心に帰って学ぶ姿勢を持つことを忘れてはならないですね。