このサイトでは「アホ管理者」や「クズ上司」について数多く取り上げていますが…
(本当に酷い管理者が多くなったと思うので…)
ブラック企業の上司の特徴の一つとして「管理者がいい人すぎる」という理由も挙げられます。
管理者がいい人でお局からの弾圧を受けるケースも多いのですが、部下が悪い人でもないにも関わらず、トップが仕事を背負ってしまい悪い結果を生むケースがあります。
今回のケースは一般論ではあまり聞かないケースだと思いますが、「こういうこともあるんだ…」と思って最後までお読みいただければと思います。
給食委託会社は調理師が強いというイメージ
給食委託会社の調理師というと同じ委託会社の栄養士の悩みの種だったり、事業所側の管理栄養士の悩みの種だったりもします。
経験が浅い栄養士からしたら「調理師に太刀打ち出来ない」という悩みを持つだろうし、経験を積んで自分の意見を持っている栄養士からすると「調理師がいう事を聞いてくれない」といったように、割と栄養士と調理師は対立しやすいものです。
幸い私は調理師とのトラブルは殆どなかったのですが(キャリアが長いのもあるのかもしれませんが)、一人トラブルを起こした人がいましたよ。
…というか、その調理師があまりにも幼稚っぽい人だったので。。。
優しすぎる調理師
立場はどうであれ、職場の人間関係は問題を抱えているケースが殆どではないのでしょうか?
- 社員がパートに意地悪をしてパートを次々と辞めさせてしまう
- パートが「弱い立場」を利用して社員に大変な仕事を押し付ける
- 栄養士の性格に癖がある
- 調理師が威張っていて、仕事が一段落すると煙草を吸っていて嫌な作業をパートに押し付ける
私が遭遇したケースは「調理師がいい人すぎる」ことが仇となってトラブルに至ったという珍しいものでした。
当調理師は病院から依頼されたことを一切断ることなく忠実に従ってきました。
かと言って調理師に向かってマウントをとっていたわけでもありませんし、出来ないなら断ればいいのに…と思うくらいでした。
当事業所は「調理師のノルマがキツイ」という印象が強かったです。
食材が納品されると検品に立ち会うのが栄養士…というのがこれまで私が見てきたものですが、この検品時に栄養士が立ち会うのではなく調理師が立ち会っていました。
それは、自分の調理の仕事を止めてでもです。
この時の委託会社の契約では、献立作成は事業所の管理栄養士が行うことになっていたので、献立作成業務がないだけでも委託会社の栄養士業務はかなり軽減されています。
栄養士が仕事をさぼっている…というわけではありませんけどね。
委託会社の栄養士は厨房内では調理補助に入っていました。
だったら、栄養士に検品をやらせたって良くね?と思ったのですが、他の会社のことなので余計な口出しはしませんでしたよ。
当事業所の厨房は、私が入職当時はギスギスした人間関係はありませんでした。
変なのはいたけど…社員が強いだのパートが強いといった仲間割れもなかったですし、パートさん達は大人しかったです。
パートスタッフに指示出しをしない
パート…つまり調理補助のパートですが、調理補助というように調理師を軸に調理業務をサポートするのがパートスタッフの役目。
調理をすれば鍋や釜、ホテルパンなど洗い物が出てくるのは当然のことです。
作る料理だって主菜に副菜、汁物と全ての料理を作ることに取り掛かっています。
調理開始から喫食時間に至るまでの時間を出来るだけ短縮するためにも、調理補助を上手く活用するのも調理師の役割なんですが。
この事業所の調理師はパートスタッフに物事を頼むことを一切しませんでした。
勿論当時のパートスタッフの中に、言われたことに対して「出来ません」と強く言う人はいなかったのです。
調理を補助する仕事と言えば、自分が調理で使った器具を洗浄してもらうだの、出来上がった料理をフードプロセッサーにかけたりミキサーにかけるといった作業がパートの業務にあたります。
しかし、これらパートに任せる仕事を調理師が背負いこんでいました。
それだけではなく、下膳した後のトレイセッティング作業もパートにやらせれば良い仕事なのに、それまでも調理師が時間の合間を縫ってやっていました。
厨房内の掃除もパートに一切指示することなく、調理師一人でやっていたのです。
それなので調理師が馬車馬のように動いている一方、パートは突っ立っているということが少なくありませんでしたよ。
- パートスタッフに仕事を与えるのは虐めだから自分がカバーする
- パートスタッフがインシデントの当事者にならないようにパートのミスをカバーする
そんなやり方でした。
異勤によって化けの皮が剥がれる
その調理師は私が当事業所に入職してから2年目の時にチーフに昇格しました。
このようなお人柄なので部下に威張り散らすことはなかったのですが、相変わらずパートを必要以上に保護する方法で仕事に取り組んでいました。
それはそれでインシデントには至らなかったのですが…
そのチーフに異勤の命令が出て、他の事業所から移動してきた調理師がチーフとなったのです。
それが何の引継ぎもなくチーフを入れ替えたので、私が休みの日は食事オーダーミスが頻回に起こるようになったのです。
余りにもミスが多いので、結局前のチーフに戻ってきてもらったのですが…
その後、モンスター職員が委託会社に入社となり、調理師を利用して自分達はサボりに徹するようになり、厨房内が大荒れになりました。
そのお人好しの調理師はモンスターにまでお人好しだったので、モンスターから「出来ない」と言われた仕事はそっくりそのまま引き受けていました。
これで更に業務分担の偏りが著しくなったのです。
そうではなくても、これまで調理師の入れ替えが激しかったし、これでは若い調理師が入ってもすぐ辞めてしまうことに懸念があって、委託会社には業務分担や人事体制を見直すように散々説得しましたよ。
そのしわ寄せは…
こんな業務分担をしていたら調理師にしわ寄せが言ってしまうのも当然です。
しかし、お人好しの調理師はモンスターを守るために一番大事にすべきものを犠牲にしていたのです。
それが「患者様」
調理補助が担うべき業務を調理師が行うということは、補助業務も調理師が行うことから、調理開始時刻を早めないと時間までに食事提供が間に合わなくなります。
それだけではありません。
モンスターは自分にとって不都合な仕事全てを「出来ない」と断り、上司である調理師が退勤した後、2時間の休憩(本当はない筈の休憩時間)を取って喫煙やテレビを見る時間に割り当てていたのです。
そもそも、モンスター達が休憩を沢山取りたいために何でも仕事を断って、モンスターの好きな風にやっているだけですから。
特に夕飯については酷かったです。
確か早番の退勤時間は14:30であり、退勤時間に仕込みから何から何までこなさなければならなかったので、午前中の夕食のおかずを作り終えていたということがありました。
これを委託会社に「このようなことがないように体制を整えてほしい」と訴えたのですが、調理師が注意されるだけで終わったのですね。。。
しかし、午前中に調理を済ませた料理を夕食に提供したら…それは食中毒の危険性が高まる筈。
一番守るべきところがないがしろにされていました。
上司からも厳重注意してもらいましたけど、言うこと聞いてくれませんでしたよ。
一部の従業員も犠牲に
チーフのお人好しとモンスターによって一部のスタッフもしわ寄せを受けています。
「我儘を言ったもん勝ち」の世界ですよ。
その為、他の調理師までもがそのしわ寄せを受けてしまい、長時間勤務や休憩時間なしという状況で働かされていました。
しかも、その調理師は年配のパートスタッフ。
あんな働き方させられたら、いつか倒れてしまうのでは…
スタッフが育たない
この調理師は殆どの仕事を自分で背負いこんでいる為、スタッフに教育することがありませんでした。
パートスタッフも手が空くと「何かやることありませんか?」と聞いていたのですが「自分がやるからいい」といって何もかも背負いこんでいました。
この事業所は一時期栄養士が存在しなかった時期があり、久々に栄養士を配置したら栄養士にさえも何の教育をしてなかったのです。
厨房内で与えられる仕事はパートと同じ仕事。
パートスタッフといい栄養士といい教育してあげればもっと育つ筈なのに、殆ど教育していないので何年経っても成長出来ないスタッフを量産させてしまいます。
もう少しスタッフの動きが良ければ、もっと改善を図れるのに…
会社が違うので口出しできないのがツライところですよ。
まとめ
トップに立つ者がパワハラするような人なのは困りものですが、お人好しな人が責任者になった場合もブラックな環境を生み出します。
このようなケースは滅多にないかと思いますが、犠牲者が発生するやり方は多いに問題ありでしょう。