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パワハラによる退職は自己都合ではないという失業給付の話

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今の職場を辞めたくて頑張って就職活動したけど、中々内定をもらえなくてそのうち無職になってしまった…

仕事のストレスが酷すぎて一度ゆっくりしてから求職活動したい…

労働環境が劣悪すぎると、とにかく仕事が嫌でたまらないですよね。

日曜の夕方を迎えると「明日からまた一週間仕事か…」とサザエさん症候群に陥ってしまう…

働かないと生活できないし、このまま仕事を続けたら身が持たない…

まさに究極の選択です。

クビにされるようなことを何にもやっていないのに…?

働いている本人に罪はなくとも、当人が気に入らないとばかりにハラスメントをして自ら退職届を出すように仕向けて追い出す輩もいます。

そんな時こそ失業給付の出番です。

退職届の理由は「自己都合退職」であっても、不本意な退職は会社都合退職に出来る方法があるのです。




 

我慢は精神衛生上悪い

あまりにも労働条件が劣悪で酷いハラスメントを受けているのであれば、それを放置すると鬱病を発症してしまい、今後の就職活動に支障をきたしてしまうことさえあります。

失業給付は受ける金額や期間に限りがあるものの、職場を辞めて自分の時間を有意義に過ごすには支給申請をして少しでも経済的負担を軽減させます。

失業給付は雇用保険サービスの一つであり、会社に入社すれば必ず雇用保険に入ります。

会社を退職し、就職したい希望があるにも関わらず就職先が見つからない人の為に「生活費の負担軽減」「再就職支援」「再就職の為の職業訓練」と言う形の「保険サービス」だから雇用保険なんです。

 

失業手当受給申請方法

失業手当を受けるにはまず最初にハローワークに必要書類を提出します。

その必要書類とは

  1. 雇用保険被保険者離職票(1)
  2. 雇用保険被保険者離職票(2)
  3. 雇用保険被保険者証
  4. 個人番号確認の書類

これらの書類を提出したら

  1. 受給説明会の参加
  2. 7日間待機
  3. 失業認定
  4. 受給開始

という流れになります。

 

ハローワークで言う退職者とは3つの分類に分かれている

分類と言われるとまるで動物的な分類??みたいな??なんですが…

その分類とは「一般離職者」と「特定受給資格者」と「特定理由資格者」に分かれます。それぞれの退職者については下記の通りとなります。

「一般離職者」 自己都合退職による離職
「特定受給資格者」 倒産や人員削減等の理由による会社都合退職
「特定理由資格者」 やむを得ない理由による自己都合退職

 

一般離職者

自己都合退職は本人自らが会社に申し出て退職するもので、本来でしたら下記のような理由があって退職を申し出ます。

  • 管理栄養士を取得したから委託会社から病院に転職する。その為の就職活動期間が欲しい。
  • 栄養士として3年働いて仕事が慣れてきたけど、看護師を目指したくなり、資格取得に時間をかけたい。
  • 就職活動したらもっと条件の良いところが見つかった。
  • 独立開業する。
  • 自分探しの旅をしたい。(?)…etc

退職する前に仕事が見つかれば失業給付の必要はありませんが、暫く就職しない場合は一般離職者となります。

しかし、労働条件が劣悪、パワハラが辛いという本音を隠しながら「前向きな理由」を付けて退職するケースが、実は一番多かったりもします。

 

特定受給資格者

特定受給資格者とはやむを得ない理由により離職せざるを得なくなったケースで、主に下記のケースを言います。

「特定受給資格者」の条件

雇止め
  1. 有期労働契約の未更新
正当な理由によるもの
  1. 体力低下、心身障害、疾病、負傷、その他業務に支障をきたす疾患によるもの
  2. 妊娠、出産、育児を理由とした離職
  3. 家族の疾病や負傷により介護や看護が必要な時
  4. 配偶者及び親族と同居生活が困難になった時
  5. 結婚に伴う住居変更による通勤困難
  6. 保育施設の利用又は親族への保育の依頼による住居変更による通勤困難
  7. 転勤による通勤困難
  8. 希望退職の募集に応じて退職

 

特定理由離職者

特定理有離職者とは会社の倒産や解雇によってり離職せざるを得なくなったケースで、主に下記のケースを言います。

「特定理由離職者」の条件

倒産によるもの
  1. 会社の倒産(病院や施設の閉鎖)
  2. 大量の離職者の発生
  3. 事業所の廃止
  4. 事業所の移転により通勤可能範囲ではなくなった
解雇によるもの
  1. 懲戒解雇ではないのに解雇されてしまった
  2. 労働条件が契約と異なる
  3. 賃金の1/3以上が期日まで支払されず
  4. 賃金が85%未満
  5. 残業時間が3ヶ月以上で45時間、1ヶ月で100時間、2ヶ月以上の平均が80時間
  6. 妊娠、出産、介護の制度の拒否、若しくは制度の利用による不利益を与えられる
  7. 常識的な配置を行わず、会社都合で配置転換された
  8. 3年以上の有期労働契約が未更新
  9. 更新される前提の有期労働契約が未更新
  10. パワハラ・セクハラを受けたことによる自己都合退職
  11. 退職推奨を受けた
  12. 事業者による休業が3ヶ月以上継続された
  13. 事業者のコンプライアンス違反



 

受給開始時期は退職時の理由によって異なる

受給開始時期は「自己都合退職」か「会社都合退職」によって変わります。

自己都合退職

自己都合退職とは転職等の理由により自ら希望して退職することです

自己都合退職の場合、失業給付が開始される時期は7日間の待機期間後、更に約2ヶ月間(場合によっては3ヶ月)の給付制限期間があります。

但し、これには「退職前の2年間のうち、雇用保険に1年以上継続して加入していた」という条件があります。

もし、前職が半年に満たなくても前々職から継続して雇用保険に入っており、尚且つ前々職の離職票があると失業保険の給付対象となります。

 

会社都合退職

会社都合退職とは会社が倒産した、人員削減によるリストラによる退職です。

これって栄養士や調理師も他人事ではないのです。

病院や施設が直営の場合、業務委託化によって退職となることがあります。その場合、少なくとも1ヶ月場合に管理者から勧告されます。

こういうケースは明らかに会社都合となります。

※もし、会社都合による業務委託化によってリストラされるにも関わらず自己都合で退職届を書かされる場合は、労働基準局に訴える!

※上記のケースの場合、退職届を書くように指示が下されても書かないこと!

ハローワークで会社都合退職が認められ、尚且つ雇用保険加入期間が半年以上の場合、「特定理由離職者」として、7日間の待機期間後に失業保険給付開始となります。

 

気になる給付期間と給付額

給付期間の比較

ここが一番気になるところですが、これは雇用保険加入期間や退職自由、年齢によって条件が異なります。

失業保険支給期間(自己都合による退職)

雇用保険加入期間
1年未満
1年以上~
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
支給日数
支給なし
90日間
120日間
150日間

上記の給付期間は自己都合退職及び正当な理由による退職(特定受給資格者)が該当します。

失業保険支給期間(会社都合による退職)

雇用保険加入期間
1年未満
1年以上~
5年未満
5年以上~
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
支給日数
(30歳未満)
90日間
90日間
120日間
180日間
支給日数
(30歳以上~35歳未満)
90日間
120日間
180日間
210日間
240日間
支給日数
(35歳以上~45歳未満)
90日間
150日間
180日間
240日間
270日間
支給日数
(45歳以上~60歳未満)
90日間
180日間
240日間
270日間
330日間
支給日数
(60歳以上~65歳未満)
90日間
150日間
180日間
210日間
240日間

上記の給付期間は雇止め、倒産、解雇が該当します。

 

支給額算出方法

支給総額 = 基本手当日額 × 給付日数

失業保険の受給開始時期は自己都合退職か会社都合退職によって異なります。

会社都合退職の場合は申請して一週間の待期期間を経てその対象となれば4週間後に支給され始められますが、自己都合退職の場合、約3ヶ月後に支給開始となります。

そして、失業手当申請は退職後、原則一年以内なので、期間を過ぎてしまうと支給されなくなってしまいます。

 

正当な理由によって退職した場合、条件によっては受給期間を延期出来る

病気や怪我、妊娠や出産、育児、親族の介護や看護、定年退職後に一度離職してから就職するケースでは、働くことが出来ない状態が続くことがある場合があります。

このような理由で再就職が不可能な状態が30日以上続いた場合は、ハローワークに申請することにより、受給期間を4年以内に延長することが出来ます。

この際、必要な書類は次のものとなります。

  • 離職票2
  • 延長理由を証明する書類(診断書、医療明細書、母子手帳等)
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号記載のある住民票の写し等)
  • 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、住民基本台帳カード等
  • 印鑑

これらの書類は、30日以上就業不能な期間が続いた翌日以降のタイミングで手続きを行います。

 

特定理由離職者としての条件とその裏技(笑)

「裏技」というとチートみたいですが、悩める栄養士には知って得する情報です。

特定理由離職者として認められると、失業給付の給付制限期間が免除され、失業給付期間の延長という優遇も受けられます。

「特定理由離職者」の条件

倒産によるもの
  1. 会社の倒産(病院や施設の閉鎖)
  2. 大量の離職者の発生
  3. 事業所の廃止
  4. 事業所の移転により通勤可能範囲ではなくなった
解雇によるもの
  1. 懲戒解雇ではないのに解雇されてしまった
  2. 労働条件が契約と異なる
  3. 賃金の1/3以上が期日まで支払されず
  4. 賃金が85%未満
  5. 残業時間が3ヶ月以上で45時間、1ヶ月で100時間、2ヶ月以上の平均が80時間
  6. 妊娠、出産、介護の制度の拒否、若しくは制度の利用による不利益を与えられる
  7. 常識的な配置を行わず、会社都合で配置転換された
  8. 3年以上の有期労働契約が未更新
  9. 更新される前提の有期労働契約が未更新
  10. パワハラ・セクハラを受けたことによる自己都合退職
  11. 退職推奨を受けた
  12. 事業者による休業が3ヶ月以上継続された
  13. 事業者のコンプライアンス違反

この中でもかなり栄養や調理に携わっている人が「特定理由離職者」の条件に当てはまる項目が多いでしょう。

特に要チェックなのが

  • 懲戒解雇ではないのに解雇されてしまった
  • 残業時間が3ヶ月以上で45時間、1ヶ月で100時間、2ヶ月以上の平均が80時間
  • 妊娠、出産、介護の制度の拒否、若しくは制度の利用による不利益を与えられる
  • パワハラ・セクハラを受けたことによる自己都合退職
  • 事業者のコンプライアンス違反

上記の5点ではないのでしょうか?

特定理由離職者に該当するかどうかはハローワークが判断することなので、「パワハラが原因で辞めたから失業給付の受給条件が良くなる♪」と呑気に構えてはいけませんよ!

特定理由離職者に該当していることを職場に打診出来るような環境であれば、自ら打診することも可能ですが、職場が自分の非を認めなかったりパワハラを受けていたとなれば職場に打診しにくいもの。

今現在、パワハラやブラック企業に目を光らせている中、会社の評判が下がらないように、自社の退職者が「特定理由離職者」とならないように自分の身を守ることに躍起になるでしょう。

特定理由離職者として認定されるにはそのための書類が必要となります。

必要な書類は理由によって異なる為、ハローワークに相談の上、自分の該当するものを準備しておきます。



 

ブラックな仕事、パワハラでメンタルダメージを受けたら

上記に挙げた赤文字のケースでは長時間労働やパワハラといったケースですが、このような状況下で働いていれば「会社に行くのが憂鬱」「考え事が多くなって仕事のミスが増えてきている」「何となく元気が出ない」というのであれば精神面で何等かの影響を受けていると考えても良いでしょう。

病気を診断するのは医師ですが、実は鬱病を発症する前の黄信号状態である「鬱の一歩手前」であることが考えられるからです。

職場を働き続ける意思があるのに、仕事が辛くて精神的に支障をきたしているのなら心療内科で診察しておきます。

医師から診断を受けた時は、「診断書」を発行してもらいます。

そしてハローワークに「診断書を提出」することによって、長時間労働やパワハラによる退職であることを証明します。

書類の提出についての詳しいことはハローワークに問い合わせて下さい。

 

望まない転勤を強いられた

給食委託会社や大手の法人、コンサル会社の傘下となっている場合、自分の意思に反して自宅から通勤困難な地域に移転を強いられるケースがあります。

これには「事業所移転の通知書類」「事業所の移転先が分かる資料」等があります。詳しいことはハローワークに相談してみましょう。

いずれの理由にしろ特定理由離職者として認定されると、国民健康保険や住民税の免除や減額が受けられる可能性があるので、お住まいの市役所や役場に問い合わせてみましょう。

働く意思があるのに、自ら会社を退職させる状況に追い込まれることって、大変悔しいことです。

働く意欲があるにも関わらず退職勧奨という真実のもと辞める選択をして収入源を失うことに泣き寝入りにならない為にも、これらの知識を備えておきましょう!

 

失業給付は再就職活動をサポートする為に給付されるもの

失業給付は給付される為の条件を満たしている上で、金融機関に振り込まれます。

そもそも失業保険は本来再就職を支援する為に給付されます。

その為、就職活動をした履歴を残しておかなければなりません。

まず、失業給付を受けるにあたって雇用保険給付の説明会が開かれるので、こちらに参加すると就職活動をしたことと見なされる為、必ず参加しましょう。

その条件として

次の認定日までに最低2回は就職活動を行う

これを忘れずに心掛けましょう。

その就職活動として認められることは次の通りとなります。

  • 求人の応募(ネット可)
  • 採用試験、面接
  • ハローワークが行う職業相談、職業紹介
  • ハローワークが行う講習
  • 民間団体が行う就職相談、就職セミナーへの参加
  • 就職に関連する国家試験や検定試験を受験する

但し、

  • ハローワークやネットで求人を検索した
  • 新聞や広告で求人を調べた
  • 会社に電話で求人の条件について問い合わせた
  • 職業紹介会社や派遣会社に登録した

これらについては就職活動の実績として見なされないので注意してください。

嘘の申告も辞めましょう。

虚無の申告をすると、不正行為によって受給対象外となります。申告する時は本当のことを伝えて申告しましょう。

 

まとめ

働く意欲があるのに、会社側の都合によって退職に追い込まれるのはとても悔しいことですよね。

特にパワハラによって退職に追い込まれる時には「一身上の理由で」と偽ってしまいがちですが(本当のことも言いづらいし)、このパワハラによる退職は悔しく居ても立っても居られない事です。

是非、このような制度を活用して、一度クールダウンしてから再始動してみるのも良いのではないでしょうか。

失業中にスキルを身に付けるのなら、給付金を活用しましょう! スキルを身に付けることは在職中であっても可能であり、隙間時間を上手く活用すれば職場に内緒で新たに手に職を付けられます。 とは言...
栄養士の特権!それは「なりたい自分」にカスタマイズ出来ること! 仕事を何年か続けていると、向上心のある人ならば「次のキャリアを目指したい」「ステップアップをしたい」という思いが沸いてくるでしょう。...


B!

 



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