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給食部門が直営のメリット

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栄養士、新卒管理栄養士の就職先=給食委託会社

こんな数式が簡単に出来てしまう昨今ですが、稀に直営で運営を行っている病院や施設もあります。

中には委託会社は融通が利かないという理由で直営に戻したり、事業所と委託会社が合わないために直営に切り替えているという話もたまに聞きます。

専属の栄養士として働けたらなぁ…

切実ですよね…




 

結論をいうと…

委託会社と直営で給食部門を運営するにはどちらがメリットかというと直営の方がメリットがある、というのが私の意見です。

でも直営だからと言って決して仕事は楽ではありませんからね。

シフト制で現場業務が激務なのは給食管理ならのことなので、直営で厨房業務を行っても重い荷物を運ばされるし、暑い厨房で汗だくになって働くことは変わりありません。

早番や遅番も当然のことながら組まされます。

 

直営のメリットとは

直営のメリットとはズバリこれ!

  • 転勤がない
  • 安定性がある
  • クレジットカード作成において有利
  • 一人部署ではないので仲間がいる
  • 食事の質が良い

もし、社員を希望しているのなら社員として安定して働けるというのが大きなメリットです。

委託会社のように自宅から通勤不可能な地域に転勤を強いられることもないので、このような心配もありません。

そして委託会社に中途採用で就職した場合、資格を持っているにも拘わらず「契約社員」として扱う企業もあり、保証が弱いというのもあります。

病院、施設で正職員となると保証もしっかりしているし、病院や施設の従業員ということでクレジットカードの作成においても有利となります。

何故、クレカの作成において有利かといいますと…

「ローンを返済する能力がある」と見なされるからです。

ボーナスについては、病院や施設勤務でも最近では委託会社と対して変わらない場合もあります。

なので、直営でも給与面においてはあまり期待しない方が良いでしょう…

食事の質については事業所によって方針が異なるので一律ではありませんが…

事業所の方針が「患者様や利用者様に食事を美味しくいただけるように生鮮食品を使うようにしている」という所であれば、食事の質は委託会社よりも明らかに優れています。

生鮮食品は冷凍のものと食感が違いますし、素材そのものの風味を味わえるという強みがあります。

給食業務を委託しても、厨房の仕込み室が完全に調理室から分離されていて、汚染区域と日汚染区域が仕切られている状態であれば生鮮食品の導入は可能な場合もありますが、委託会社の卸センターや衛生管理マニュアルとの兼ね合いもあるので完全に生鮮食品にするのは難しいでしょう。

 

事業所によっては環境はまちまち

事業所によっては管理栄養士や栄養士の配置人数が異なります。

私は栄養士は複数配置した方がいいんじゃね?派なんですが(笑)

人件費がかかるから一人でいいんじゃね?という経営者もいるのではないのでしょうか?

看護師に比べたら栄養士の給料は…

がっかりですよ!

厨房スタッフのしわ寄せは栄養士が受けるのよねぇ…

私が過去に勤めた病院では栄養部門の総人数が10人以上(11~12名)配属して、その半数が栄養士、管理栄養士が占めていた時がありました。

献立作成は作成した人の特徴が露わになるもので、一人で献立作成をするとマンネリ化してしまうもの。

献立作成は行き詰まりがあるし…
数ある業務の中で一番大変…

複数栄養士が献立作成に携わると、担当した人の特徴がそれぞれ現れるので一人で作成するよりはマンネリ化を防ぐことが出来ます。

また、中途採用者が入職すると、前の職場の献立を導入することによって更に献立に変化を付けられるし、一緒に働いている栄養士も自身が持つレシピのバリエーションが増えるというメリットがあります。

栄養士というポジションにいると栄養士ならではの悩みがありますよね?

複数いれば、同じ職種ならではの悩みを打ち明けられるので、気持ちもだいぶ楽になります。

直営だからこそ一人栄養士ではないので、仲間がいるということは心強いです。

でも、事業所によっては栄養士や管理栄養士の配置状況も違うし、そこに置かれている人間関係もそれぞれなので、恵まれているかいないかでも大きく変わってきます。

 

他部署との関わりの面において


委託会社が入っていると、委託会社とのお付き合いも大事になります。

これは栄養課に限ったことではなく、患者様にも響くところもあります。

委託会社には委託会社のルールがあり、必ずしも病院や施設側の考えが叶うとは限りません。

例えば医師の指示によって不足する栄養素を補う為に小付程度のものを一品加える指示を出されても、直営ならほぼ即答で対応できるという柔軟性があります。

ところが厨病業務を委託している場合、おかずを一品加えるのなら、かかっただけのお金を請求して欲しいとの話を打診されます。

(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

そのお金を払うのは患者様であり、患者様(キーパーソン)側からすると、出来ればお金をかけたくないものです。

患者様の金額的負担をなくすためには、補う為の一品料理を副菜の代替え食と提供する方法を取っているのが現実なのではないのでしょうか。

(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

しかし、このプラス一品分を患者様から請求せずに提供出来るというのが、直営ならではの融通が利くです。

栄養補助食品の件に関しても、委託会社管理となると取り扱う商品が限られるケースがあります。

会社によっては病院や施設で注文した商品を加工して提供する(半固形状の補助食品を包丁でカットして器に盛り付ける)ことは一切しないところもあります。

包装されたままの補助食品をトレイに乗せることでさえも断固拒否です。

これが一人管理栄養士だと、「不在時に誰がやるの?」という問題になります。

病棟だって忙しいから無理がありますし。

そんなことやったら看護師に怒られる…

そうすると委託会社経由で栄養補助食品を注文することとなりますが、盛り付け等の対応はしてもらえるものの、扱っている商品には限りがあります。

しかも、委託会社経由で購入すると金額が割高となってしまいます。

また、委託会社のスタッフの大半は殆どパートが占めているというのが現実です。

このように委託会社が営む厨房現場は栄養に関わる知識が薄いのです。

現状を踏まえて調理業務は出来るだけ複雑化をさせないように、補給すべき栄養は管理栄養士の栄養管理に基づいて補助食品を調整しながら患者様に与える栄養量を充足させたいという思いはあるものの…

強いられる究極の選択
  • 卸店から安く購入すると委託会社の協力が得られない
  • 委託会社経由で注文すれば委託会社の協力は得られるけど、使用される補助食品の種類が限られる上にコストが嵩むため、栄養改善のための栄養補給が十分になされない

栄養管理の観点においても、直営の方が適切な栄養ケアマネジメントにおいてメリットが大きいと言えます。

 

医事課との連携も直営の方が合理的


今の栄養計算ソフトは医事課と患者データを共有して、医事課で入力した患者情報に基づいて栄養課の書類を打ち出せるという便利さがあります。

ただ、委託会社が入っている事業所が多いから、この機能は活かされていません。

委託会社は当然事業所とは別会社なので、患者様の個人情報管理は委託会社の範疇ではないのです。

患者様の個人情報の区分や内容には以下のものが挙げられます。

栄養部門に必要な患者情報入力事項
  • 氏名
  • 生年月日
  • 入退院日
  • 食種(一般食、糖尿食、腎臓食等)
  • 主食の形態
  • 副食の形態
  • 食事変更事項(変更、中止、開始等)
  • 身長、体重、血液検査データ
  • 病棟、部屋番号

ただ、患者様や利用者様によっては沢山コメントのある人も多いのです。

牛乳禁止、パン禁止、卵禁止、大豆禁止、鯖禁止…と多い人だと10項目以上の場合も。。。

薬との相互作用や約束食事箋以外の制限食の指示を受ける場合もあります。

禁止食材例
  • 牛乳
  • パン
  • 大豆
  • さんま
  • 鶏肉
  • 豚肉
  • 椎茸
  • 小麦粉
  • そば
  • 生果物
  • 生野菜
  • 麺類
  • 甲殻類
  • 乳製品…等
その他指示事項
  • 高たんぱく食
  • 高カリウム食
  • 高マグネシウム食
  • カリウム制限
  • 脂肪制限
  • 卵1個追加
  • 梅干1個追加
  • ワーファリン食(ビタミンK制限)
  • ヨード制限食
  • グレープフルーツ禁止
  • 患者様の検査に関わる指示…等

医事課で入力するデータの中で栄養部門に携わるものには、患者様の氏名や入院日、退院日、食事変更、治療食加算の有無等があります。

この患者様の情報に栄養部門に必要なコメント情報を追加入力すると、食材を発注時にデータ処理を施すことによって発注作業の負担を軽減出来るという利便性があるのです。

委託会社の場合、個人情報をはじいて処理を行うので、食品ごとの禁止食数を数えながら発注数を調整するという手間が増えてしまいます。

委託会社の場合、大抵発注業務は栄養士が行っていますが、別に栄養士がやらなくても良くね?と思っています。

事業所によっては在庫管理を業者に依頼したり、発注を調理師に依頼しているところもあります。

栄養士が発注の為に時間を囚われてしまうのなら、寧ろ発注専門のパートの事務員を雇って、その負担軽減した時間を食事の質の向上に力を入れる方が寧ろ患者様や利用者様にメリットあるんじゃね?(私見)

なんて、ちょっと私的なことも書きましたが、直営を知っている身として委託はかなり無駄が多いのです。



 

管理栄養士としての立場からみても直営の方がやりやすい


前述の項目とかぶってしまうのですが、患者様一人一人に適した栄養管理を行うのなら、融通が利く直営の方が患者ファーストの医療が提供できるというのが私の考え。

結局、委託会社の柵によって栄養管理の内容が歪められてしまうのですから…

患者様は利用者様のADLが昔に比べると低下していることから、食事レベルも下がっているというのが今の医療や介護の現状。

しかし、キザミ食やペースト食は見た目も良くない上に、それ以外のデメリットもあるのです。

安全に食事を食べさせたいという思いもあるし、摂食嚥下機能が低下している人のための介護用の食品もバリエーション豊富に開発されているし、おまけに厨房という業界はいつも人手不足。

いっそのことこれらを活用した方が良くね?(私見)

自分が栄養課のトップに立っているのなら、この介護食品の導入を提案したいものです。

しかし、委託会社は拒むんですよ。

散々、衛生管理がどうこう言い訳言うくせに、介護食品の導入は食材費がかかるからだの屁理屈を叩くのですが…

キザミ食やペースト食って不衛生だし、介護食品を導入して人員不足の問題を解消した方が合理的だし、人件費を調整すれば金額だってそこまで痛くなくね?

介護食品を使って食材費の節減に繋げた事例をまとめた資料を委託会社に渡してまでも説得しましたよ!

こっちは個人の我儘で運営しているわけではないのに、思うようにいかない…

その辺は直営だと自分の考えで部署内のルールを決定出来るので、金銭面をクリアすれば実行は不可能ではないでしょう。

ただ、介護用食品の使用については病棟側の意見も踏まえた上で判断することなので、一人で勝手に…ということはしないで下さいね。

 

直営のデメリットは?


これまで、直営のメリットについて話をしました。

でも、デメリットもあります。

このデメリットも事業所の体質によって様々だと思います。

  • 女性社会なので人間関係がギクシャクしやすい
  • 部下である調理員が言うことをきかない
  • 看護師や介護士にモンスターがいると最悪
  • 栄養管理業務に専念できない

栄養士が複数いると仲間意識があって心の支えになる場合もありますが、部下や後輩を取りまとめてくれる栄養士がいれば、悩みを打ち明けたりすることが出来ます。

…が、栄養士の大半は女性ですよね?

稀に男性がトップに立っている病院や施設もありますが、男性栄養士は今だに希少な存在。

大病院で女性の栄養士が多いとなると、派閥だ何だ女性社会ならではの面倒な人間関係があります。

居ないところで陰口悪口、仲間外れ、無視…

女って面倒くさっ!

男性からするとうわっ…と思うものですが、酷いと人間関係が陰湿な場合もあります。

古狸に悩まされる

これは古くから直営で続けているケースにあります。

病院や施設が創立されて依頼、その事業所でずっと働き続けてお局になってしまい、平社員という立場にも拘わらず実権を握っているというケースです。

酷いとボスのような存在となって部署内を引っかき荒らし、次々と従業員を虐めては辞めさせる癌のような存在になっている人もいます。

このような古狸は新しいものを導入することを拒絶する傾向があり、サービスの質の向上に努めたいというニーズを阻害されることがよくあります。

また、栄養課の調理部門も女性社会。

従業員同士のトラブルの問題に携わらなければならないという面倒さがあります。

部署外のモンスター社員の弾圧によって物理的に無理な業務を強いられる

委託会社が入っていると融通が聞かないというデメリットがある一方、あまりにも無理な指示を断ることによって自身の身を守ることが出来るメリットもあります。

直営でも委託でも看護師や介護士が正常な人なら、指示の内容が実現不可能な場合は「無理です」と言って断れば理解してくれます。

しかし、モンスターには「断る」「出来ない」「無理」の言葉が通用しません。

委託会社が入っていても部署同士の間をとるという意味で大変ですが、相手がモンスターの場合の板挟みはとてもツライものがあります。

思うようにいかなければ凄い暴言を吐いてきます。

これはハラスメントですよ。

残念ながらこのようなモラルが低いスタッフが病院や施設にいるのも事実です。

ただ、これは事業所によってまちまちなことなので、相手が正当ならここまで苦しめられることはないでしょう。

委託会社だと異勤申し立てによって事業所の移動を希望することが出来ますが、直営だとそれが出来ないというのがツライところ。

その事業所の管理者がモンスターに加担しているようなら、考えてみてはいかがでしょうか?

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栄養管理業務に専念できない

栄養管理業務に力を入れたいという考えのある事業所だと直営は芳しくないとの意見もあります。

直営でも委託でもスタッフの人員不足は深刻化しています。

人手が足りなくて管理栄養士までもが厨房に入らないと配膳が間に合わなく、業務のしわ寄せを受けてしまうことも。

人手不足が酷いと調理員と同様にシフトを組まなければならないことがあります。

 

まとめ

直営のメリット、デメリットについてまとめます。

明らかにメリットとなる点については以下の通りです。

  • 転勤がない
  • 安定性がある
  • クレジットカード作成において有利

環境によってはこのようなメリットがあります。

  • 一人部署ではないので仲間がいる
  • 現場からの指示に柔軟に対応できる
  • 発注業務が合理的に行える
  • 栄養部門を仕切ることが出来る
  • 食事の質を向上出来る

デメリット

  • 女性社会なので人間関係がギクシャクしやすい
  • 部下である調理員が言うことをきかない
  • 看護師や介護士にモンスターがいると最悪
  • 栄養管理業務に専念できない

但し、給与面においては、以前は確かに直営の方が良かったのは明らかです。

今は直営でもボーナスが余り期待が出来ないところもあるので。

「今働いている事業所が特にネックにならない「栄養士として十分に活躍出来る」「学びに繋がるの」であれば居続けるのもありだし、他の事業所で新しく経験を積みたいのであれば転職するのも自由です。

余りにも酷い場合は、心の病に気を付けて下さいね。

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B!

 



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