- サービス残業
- 年功序列
- パワハラ
現在の「サービス残業」や「自殺」、「社畜」の諸悪の根源は昭和の遺物だと言われています。
ところが、長年社会人経験をしてきた中で、職場の体質が劣化しているところを目の当たりにしてきました。
職業柄、親世代や更に上の世代と一緒に働いてきましたが、「人のつまらない揚げ足をとるような風潮は今のようにひどくなかった」という話を先輩スタッフから聞いています。
かつては社畜の概念もありませんでしたし、仕事が原因によるうつ病の発症も今ほど頻繁ではありませんでしたし、殺人事件も今のように異常な程に頻発されることもありませんでした。
なので、1988年の幼女連続殺人事件の報道を見て、当時は驚きましたよ!
昭和の体質は古き悪いものか?
ところで、この記事を読んでいるあなたは、昭和に対してどのようなイメージがありますか?
- 年功序列
- 体育会系のノリ
- 上司が部下に理不尽に怒鳴りつける
- サービス残業や休日出勤が当たり前
- 職場がタバコ臭い
- 有給休暇を使わせてくれない
- 飲み会強制参加
ひょっとしたら、このような悪いイメージを持っているかもしれません。
確かに「物事をはっきり言う」「職場がタバコ臭い」というのは昭和の風潮でしたよ。
子供の時に父親の会社に連れて行ってもらったときに、事務所や食堂がうっすらタバコ臭いというのは感じていました。
昭和時代と言えば私はまだまだ子供でしたが、父親の仕事帰りが9時、10時が当たり前であり、休みの日に会社にしょっちゅう顔を出すことはありましたよ。
でも、父親を見る限り鬱症状…というか酷く落ち込んで暗い様子というのは特になかったです。
本当にブラックで人間関係が劣悪であれば、精神的に何等かの症状を呈していたのではないかと思います。
また、ある昭和の職場事情を知る世代から聞いた話ですが、その話によると長時間の残業は今のように社員を戒めるようなものではなかったとのことでした。
「仕事が楽しくて没頭してしまう」
このような動機で遅くまで残って残業したり、休日出勤をしていたということを話していました。
本当に「楽しい」のかは文章では表現しがたいものですが、この話を直接聞いた時の当人のトーンは「あの時代は楽しかったなー」という思いが込められていました。
その楽しそうな話しぶりは、私の中で「大らかで人情厚かった時代」を彷彿させるものでした。
悪の根源は昭和か?平成か?
- 年功序列
- 体育会系のノリ
- 上司が部下に理不尽に怒鳴りつける
- サービス残業や休日出勤が当たり前
- 職場がタバコ臭い
- 有給休暇を使わせてくれない
- 飲み会強制参加
先ほどこれらの項目を挙げました。とは言っても、ネガティブな昭和をイメージするものはもっと沢山あると思います。
でもね、形は違えど平成にもこのような状況はあるんですね。
確かに平成になってから年功序列制度が薄れていき、先輩後輩拘わらず高学歴や有資格者が役職に就くようになってきています。
年功序列制度じゃなくなったから会社の人間関係が良くなったのかというと、そういうわけでもありません。
煙草ついてはオフィス内の禁煙を徹底している職場もあるので、会社の煙草臭も改善されているのも確かですが、会社によってまちまちでしょう。
有給休暇は取らせてくれなかったのかと言いますと?
ところが、私が新卒で入社した頃、先輩スタッフは結構、有給休暇を使っていましたよ。
当時は「友達と旅行に行くため」という理由で有給休暇届けを書いたり、一週間の連休も許されていました。
一週間の連休を取って旅行だなんて…
ムリな話なのに?
会社の上司が「有給取るんじゃねー」と言うようになったのは、もっと後の話です。
仕事は楽しく♪
私が就職してから3年ほどは職場の人間関係が劣悪なところばっかりだったので、当時は「仕事が楽しいもの」という実感は全くありませんでしたね。
私って適応力がないのかな…と思ったぐらいです。
ただ、今は「楽しく仕事が出来る会社」が激減していると思います。
そして、管理者の独裁主義やハラスメントは本来あってはならないものなんですけどね。
「仕事は楽しくやるもの♪」という考えは今の時代では「信じられない」とかもしれませんが、本来は楽しいものなのです。
この実体験を幾つか挙げます。
失敗は笑って飛ばせ!
社会人4年目、当時は病院勤務であり、その病院にてメンターとなる人物(Nさん)に出会ったのです。
彼女は私を受け容れ、私の仕事ぶりを認めてくれました。
この病院は厨房だけではなく、他の部門も人間関係がギクシャクしていて、部署間の対立もあれば部署内の虐めも常習化していました。
なので、厨房内の人間関係は酷かったですよ…
特に古いスタッフほど意地が悪く、その上スタッフ同士が敵対しているという複雑な人間模様でした。
しかし、皆が口を揃えて言うのが「課長がクズ上司」であること。
Nさんは殆どのスタッフが課長に悩んでいることを知り、職場の雰囲気を明るくするように盛り上げました。
課長は(特に自分の気に入らない人が)仕事をミスすると、鬼の首を切り落としたように揚げ足を取り、まるで「あなたのやってることは患者を殺すも同然」という位、責任重大なミスを犯したと責め立て、恐怖心を煽ります。
しかし、Nさんは同じミスをしても課長のように責め立てず「あなたのやってることは間違っていないよ!」もしくは「そんなの気にしたってしょーがないよー!」のノリで笑って水に流すのノリでした。
この時、Nさんは「仕事は楽しくやるものだよ」ということを私に教えてくれました。
Nさんは団塊の世代であり、バリバリの昭和のノリなんです。
大笑いしてハイ、お終い!
「終わり良ければ総て良し」みたいな…
仕事の取り組み方も前向きでした。
アイデアを繰り出しながら仕事に取り組み、成長の場も与えて貰えました。
一週間の連休は取れませんでしたが、ちゃんと有給は使わせてもらいましたよ。
先輩スタッフの証言
私は2000年初頭に施設栄養士として転職しました。
その施設の給食部門は直営で運営しており、10年以上働いている調理員の大半は親ぐらいの世代でした。
彼女らが当施設に就職したのは丁度バブル期であり、まだまだ昭和の面影が残っていた時代。
有給を使って一週間の休みをいただいて海外旅行に行くのが当たり前な位。
仕事をミスったからといって、ネチネチ文句を言うという風潮はありませんでした。
間違えれば大笑いして「あ~ら、間違っちゃったわ~!」のノリ。
このノリは昭和を知っている私にとっても違和感がありませんでした。
しかし、私がこの施設に入職した時は世代交代の時期でした。
介護保険制度が導入されはじめ、仕事のシステムも変わり始めたころでした。
しかし、施設長が変わってから、当施設を仕切るのは施設長ではなく職場の癌といえる存在だったのです。
とは言っても、この癌となる人物は私の一回り程年上なので、確かに昭和世代の者です。
このタイプが今の若者が言う「昭和の人間」に当てはまるのでしょう。
…というか、この癌は異色なだけなんですよ。(表向きは人当たりが良いですが)
現場で働く介護士も世代交代して、当時は既に若いスタッフが介護業務にあたっていました。
先輩スタッフの話によると、以前のこの施設は人間関係も良くて「この施設で働きたい」という声が殺到していたという程でした。
当時は年配スタッフが中心の職場でしたが、「介護福祉士」の資格を所持していなくても介護士としての「心の資格」持ち揃えており、心温まるケアを提供していました。
しかし若い介護福祉士に世代交代してからは事務的なケア。
仏頂面によるサービス提供は、ケアを受ける側の者が寧ろ元気を吸い取られるようなもの。
利用者に向かって棒読みで「~して下さい」との口調ですから。
この言葉はお見事に「棒読み」ですよ。
おまけに威張っているスタッフとオドオドしているスタッフの差が激しいこと!
(癌は人の好き嫌いが激しいから)
更に…
職場の体質が変わってから有給休暇の取得についていちゃもんをつけられましたね…
残業となれば
こんな風潮に変わったのです。
バブル時代から働いている調理員からしたら、とても残念なこと…
仕事をミスって笑って済ませたらトンでもない!
でもね、実際に言われた言葉は、言い方がもっといやらしくて人を蔑むようにネチネチクドクド言うから、言われた側はムカムカするんですよ…
このあたりからですよね。
「モンスターペアレント」が登場したのは。
今では店舗に何かしらの用があって尋ねた時に不備があったことを伝えると、非常に深い反省の意を現わすかのごとく「申し訳ありませんでした」と謝罪される有様。
この時笑って「あー間違っちゃったー!」と対応されたところで、私はムカつかないのですが、そこまで気を遣わへんでも…と思いますよ。
昭和は笑って一掃だったけど、今は些細なミスでも深いお詫びをするみたいな、本当に生きづらい世の中になりましたわ。。。
年功序列制度は平成になってから改善された
いいえ、全然ちゃいます!
あくまでも形式上の話です。
昔は勤続年数が長ければ自ずと昇格していったものでしたが、今は実力で昇格させているかというと、そうでもないんじゃね?というのが率直な意見です。
特に給食委託会社や介護業界では若いスタッフが責任者となるケースがあります。
部下のタイプも様々で、上司の言うことをきかない現場スタッフが多いという事業所もあれば、上司に逆らう態度を見せない賢明な部下もいます。
しかし、その責任者が若かろうと根本的にアホならば、自分が気に入らないと思ったスタッフは徹底的に排除するように仕向けます。
「役職」という肩書が付いた途端に天狗になっていますから…
更に今は年功序列を完全否定したふりをしながら、独裁主義の管理者のお気に入りを役職に就任させ、嫌いな部下は「退職に仕向ける」か「人事考課で低い査定をして寸志程度の賞与しか与えない」という極めて残忍な行為を行う企業もあります。
それだからとんでもないスタッフが課長クラスに就任することだってあるのです。
過去に勤めたことがある老人ホームでは、「利用者に怒鳴りつけるスタッフ」を課長に就任させていましたけど…
これって本当はあってはいけないことなんですけどね…
責任者として選ばれているということは、その事業所の上層部から買われていることですから、そりゃね、本人は強気ですよ。
周りからチヤホヤされるし。
なので、立場が強い人が弱い人に高圧的という体質は昭和の残骸でもないのです。
でも、バックには昭和の人間がいるんでしょ?
いいえ、一概ではありません。
社畜祭りが開催された芯の背景とは?
ここまで読んで、「やっぱり社畜祭りの起源は昭和じゃねーか?」と思ったかもしれません。
でも、どの時代にも色んな人間がいます。
私は複数の職場を見てきた経験の中で、管理者が二代目になってから働きづらくなったというケースを幾つも見ています。
初代の管理者(社長、院長等)は自分の設立した会社だからこそ、その会社に対するビジョンが明確であり、合理的な判断に基づいて部下を指揮し、自分の行動に責任を持ちます。
悪く言えばトップダウン形式かもしれませんが「部下を正当評価し、守るべき時は守る」のです。
だから部下がついてきたのでしょう。
しかし、今は「本来ならトップに立たせてはいけない人材」が後継者になっているケースが実に多いと思っています。
表向きは「改革」と体裁を装っていますが、やってることはワンマン経営。
こんなことを平気でやっています。
- 管理者の私情が軸となった組織体制
- 理不尽な暴言、ネチネチとした説教じみた小言
- 自分の気に食わない社員には有給休暇を遣わせない(今は取り締まりがありますが)
- 部下(社員)が有給休暇を使っていることを利用して、勝手にその部署を掻き荒らす(電話の位置を勝手に移動する等)
- 「自分がトップに立ってから当社は改善された」と自慢する
- 「人事考課による正当評価」という綺麗事を言いながら、自分の給料やボーナスを増やして、社員のボーナスを値下げする
- 自分とその取り巻きの間で、社員の履歴書の読みまわしをする
- 異常な位に体裁を気にする
会社のイベントは、このワンマン経営者の我儘によって組まれるものだから、「ウザイ上司との飲み会」「飲み会で若者が無理やり一発芸をやらされる」みたいな事が起こるのです。
それでもって、このワンマン経営者の気質は至って陰湿。
かつての昭和の大らかな「仕事は楽しく♪」という価値観を完全否定している人達。
…というか、「人に厳しく自分に優しく」だから、本人は「楽しく♪」だけど、部下には非常に厳しく取り締まる有様。
「国の制度」をだしにして、複雑にしなくていいところを複雑にしている。
それでは「仕事は楽しく♪」を提唱するかつて活躍していた人達の行く末は?というと…
- 現在引退済み
- 二代目管理者の人事異動命令によって部署の責任者というポジションを降格させられ、平社員として扱われる
- 雑用専門の部署に移動させられる
本人希望で引退したのならともかく、かつて上の立場だった人を脆弱なポジションに置いて、管理者の好き放題といった人事体制。
私もこのようなことに何度か遭遇しましたが、それまで上位職に就いていた良心的なスタッフがポジションを降ろされるとやるせなくなります。
昭和を生き抜いた人間は仕事が出来ないただの老害??
このワンマン経営者こそ、知識が浅はかで物事の見解狭くね?…というのがツッコミどころ満載じゃないですかぁ?(笑)
かつて出世出来なかったひがみからなのか…
このワンマンな管理者は自分の好き放題やりたい放題だから、新しく社員が入っても自分が気に入らなければ、そのスタッフが優秀で熱意のあるスタッフであろうと(クビには出来ないから)ハラスメントをして自ら退職を申し出るように仕向けます。
そんなことの繰り返しで社員の定着が悪く、人手不足で現場は激務。
現場に残ったスタッフは長時間労働をさせられた挙句、残業代も払ってもらえないので社畜状態。
賢い新入社員は見切りを付けて即退職。
図々しく居残るのはワンマン経営者とその取り巻き。
会社員が今の若者達に「社畜」呼ばわりされているのは、「本来トップに立つべきではない人が管理者となってワンマン経営ととなった」ことがこのような事実に至ったことが、私の社会人経験から分析したことです。
ワンマン経営者は昭和時代の人間かもしれない。
でも、「トップに立つべきではない人間が管理者に立っている」という企業は、時代が新しくなればなるほど増えているのです。
不景気な世の中に更に災害が追い打ちをかけるこの世の中ですが、日本の経済が低迷して他国より遅れを取っているのは政治だけではなく国民の問題もあるんじゃね?と思うのです。
物は便利になってきているけど、平成時代は失われたものも多いと思っています。
日本が過去に貧困問題を乗り越えたのは?
高度成長期前の日本と言えば第二次世界大戦後の貧困な時代。
この貧困な状況を何で乗り越えたのかというと、それは「堅実性」と「誠実性」があってこそ高度成長期を迎えられたのではないのでしょうか。
やがて、高度成長期を迎えてバブル期に入ります。
このバブル期に湯水の如くお金を使いまくり、挙句の果てにバブル崩壊。
戦後といい、現在といい、共通することは経済的に恵まれない世の中のこと。
しかし、昔の商品は堅実さがあったのは確かです。
アニメ一つを見ても感情移入しやすく、テレビを見ては大爆笑でしたよ。
昔のファミコンゲームのBGMを聞いて「神」だという若者が多いのは、それだけ昔はメーカーがお客様に尽力を尽くしてきたから、レトロであろうと感動を与えているのです。
電気系に詳しい人が見ると、昭和時代に作られた商品の方が電気回路の構成が優秀とのことです。
それだけ「お客様が喜ぶもの」を提供するためのマーケティングの概念が確立されていたのでしょう。
平成のように人をネチネチ叱る風潮もなく、失敗は笑って吹き飛ばす。
だから、人は明るく大らかに仕事に取り組める。
気持ちが塞ぎ込んでいると、いくら考えてもアイデアが浮かばない。
「前向き」「楽しい」時って次々とインスピレーションが沸く♪
文章一つをとってもそうだけど、楽しみながら取り組んだものは出来栄えも良い。
でも、やってることは至ってシンプルイズベスト!
しかし、今は最新テクノロジーを導入しながらも、エンターテインメントにおいては心に響くものが少なくなったと思います。
眉間にしわを寄せて唸りながら開発されたサービスは、決して魅力的ではありません。
お客様を喜ばせて初めて利益に繋がる精神が、ワンマン経営者には皆無なものです。
まとめ
今の若者が騒ぎ立てる「社畜」の件、ワンマン経営、ハラスメント…これらネチネチした賜物はバブル崩壊後に見られた風潮であり、時代が新しくなるにつれて更に陰りが付いてきています。
貧困なご時世とともに、ブラックでワンマンな経営が会社のあらゆる状況を悪化し、会社離れをしている若者が増えている結果を招いています。
「仕事は楽しいもの」
かつてあった概念は今現在殆ど失われ、「堅実さ」「誠実さ」も皆無な世の中。
会社に頼らず生きる力を身に付けることは確かに必要かと思います。
本来トップに立つべきではない人間が仕切るからこそ企業は衰退し、身勝手な会社経営は日本を沈没させている原因の一つではないのでしょうか…
恐ろしいこと…
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